花世の立春 | われは河の子

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新・御宿かわせみシリーズ3冊目。

平岩弓枝さんの「御宿かわせみ」シリーズにハマったのは5年ほど前でしたでしょうか?

遅かったファンとしてラッキーだったのは、すでに当時はほとんどの作品を文庫で一時に読めたことです。

そもそもは京都の古本屋で、江戸川乱歩全集の欠番を買ったら、店の親父が、「その箱に入っている奴どれでも持っていきな」といわれて只でもらったのが『高瀬舟の客』だったと記憶しています。

乱歩はほっといて、しばらくは貪るように読みましたね。

ブックオフで見つけては一日2冊読了なんてことも毎日の出来事でした。

江戸大川端で旅籠「かわせみ」を営む女将るい と、彼女の恋人で筆頭与力を兄に持つ剣術の達人 神林東吾の捕物帖とラブストーリーから始まった物語は、

様々な人間関係を内包して大河ドラマの様相を帯び、

後半からは子供達が幼さの中に活躍を見せ、私は何度涙にくれたかわかりません。登場人物がみな生き生きとしていたのです。

しかし、約2年の中断を過ぎ、「新・御宿かわせみ」として連載再開された時には毀誉褒貶の嵐でした。というか、発売日にかわせみファンのサイトで悲鳴が上がったのです。

前シリーズの主人公をはじめ、重要メンバーが揃って非業の死を遂げるか、それを彷彿とさせるところから物語が始まっていたのです。
古いかわせみファンには新シリーズを認めない人も多いと聞きます。

しかし、主役は子供達に移り、生き残ったお馴染みの人々が若い彼らを支えていきます。

今回、赤ちゃんのころから知っている花世と源太郎が明治の世で祝言を挙げる話では、

やっぱり涙が止まりませんでした。

雑誌掲載時にも読んでいるのですが、
改めてしみじみとしています。