午後からの父の1周忌の法要は無事終わりました。
小樽に住む弟が万事手配してくれたので、私は位牌と写真を持っていけばいいだけになっていたのです。
ところが、家への帰り道、車が尋常ではない音を立て始めたのです。
数日前からブレーキを踏むと、擦れるような音がしていました。昨夜札幌へ戻る道中も気にはなっていたのですが、夜のこともあり、どうすることもできませんでした。
お寺へ行く近道は札幌市の西区と南区を分ける小林峠というところを越えるのですが、その帰り異音はすさまじく響き、このまま苫前まで走るのが心配になり、近所のスタンドへ寄って調べてもらったら…
前輪のブレーキパッドとローターが、完全にダメになっているとのこと。最悪の場合、走行中にスコーンとブレーキが抜けて、停まることが不可能になるということ。とてもこれから160キロ走って帰ることはできませんとのことでした。ガーン!!
幸い営業していたディーラー(フォルクスワーゲン)まで自走していったものの、ディーラーの整備士の判断も同じ。しかも部品は在庫切れ! 発注掛けても届いて修理終わるのは水曜日だというではないか。さらに代車は水曜までならご用意できるが、それ以上だとレンタカーを利用していただくしか… ガガーン!!
背に腹は替えられませぬ。コタンベツの仕事は私がいないとにっちもさっちもいきません。
それでも自社のクルマではなく、比較的安提携レンタカーを手配してくれました。トヨタのイスト。とりあえずそれに乗って、先ほど我が家に帰ってきました。
これからでも苫前まで帰ろうと思えば帰れるのですが、何せ精神的ショックが大きくヘトヘトに疲れたため、今夜はこのまま自宅で寝て、明日の朝早くに出発することにしました。最悪、お客様がみえる午前10時までに着けばいいのですから、無理して夜遅くに走ることはないと判断しました。
大変な痛手、そしてストレスになりました。
しかし、しかし。
もし、異常を軽視してあのまま走り、途中の人気もなく携帯の圏外になるあたりでどうにもならなくなってしまったら。いや、それより、昨夜の160キロの道中で(時速80キロくらいで走っていた)、突如ブレーキが完全に効かなくなっていたら…
そう思うと、「こりゃあ親父が助けてくれたのかも」と、思えるようになりました。とりあえずはディーラーのある札幌で不都合が見つかって、レンタカーとは約1時間で手配がつき、明日からの仕事に穴をあけずに済みそうなのは僥倖というべきなのかもしれません。
お寺での読経の間、祭壇に飾られた花束のうち、左側の花束の中の白い一輪だけが風もないのにゆらゆらと揺れていたと弟が電話で言っていました。私からは死角になっていて見えなかったのですが、姪たちは、
「きっと爺ちゃんが来たんだ」
といっているそうです。本当にそうだったのかもしれません。明日は気をつけて帰ります。