夏帆 村上春樹 ★★★★☆
▼これは村上春樹らしい作品なのか、それとも異なるものなのか
▼3年ぶりの長編という事でネット上にはハルキストたちの感想が
飛び交っている▼今年もノーベル文学賞を逃したが ガッカリするのも
もはや年中行事、悲壮感はまったくない▼本作は三人称と一人称を
行き来する「自由間接話法」で展開▼主人公は絵本作家の夏帆(かほ)
▼夏帆の前に人間の言葉を話すアリクイが現れる
▼一方で夏帆の母親には白アリが乗り移る
▼現実と非現実を行ったり来たり、いや非現実も実は現実だったりと
謎めいた空間の中で物語は展開していく
▼夏帆(かほ)はアリクイに命じられるまま 最高の切れ味を持つ
包丁を手に入れる▼アリクイはその包丁で母親の中に入り込んだ
白アリを殺すよう指示、母親は殺さずに白アリだけを殺さなければ
ならないのだ▼包丁を手に寝ている母親に徐々に近づいていく夏帆
その時過去の母親との歪んだ関係、数々の悲しい思い出が去来する
怪物の祈り 薬丸岳★★★☆☆
▼教会の牧師・保阪宗佑は受刑者たちの精神的救済や
矯正の手助けをする教誨師(きょうかいし)をしている
▼決まり文句は「神はあなたの罪を許す」・・・詐欺師にも殺人犯にも
この言葉を投げかけ、罪を悔い改め新たな人生を歩むように
語りかけてきた▼ところがある日その宗佑の娘が連続殺人犯に襲われ
無残な死を遂げる▼逮捕された男は女性を殺す事だけを目的とし
その殺害方法も実に残忍なものだった▼宗佑は自分の娘を殺した男が
服役している刑務所の教誨師(きょうかいし)となり復讐することを
決意する▼そして遂に娘を殺した男と向き合う時が来た
▼ここからこの作品の本編が始まる!「神はあなたの罪を許す」
娘を殺した男にこの言葉を言えるのか、そしてどんな復讐が始まるのか
▼死刑が執行されるまでの数年間 2人に何がおきるのか
▼その結末は「好き」「嫌い」二分されるであろう一冊であります
十戒 夕木春央 ★★★☆☆
▼前作「方舟」の舞台は地下に広がる謎の廃虚
▼今回の舞台は無人島!そこでまたまた連続殺人事件がおきる
▼場所は変わっても前作の既視感が強く押し寄せる
▼そう思いながらもページをめくる手は止まらない
▼犯人は目の前にいるのに誰だかわからない。逃げられそうで
逃げられない 前作に続く極限の心理戦
▼そしてラスト50ページで大どんでん返し!
▼1回読んで犯人が分かった上で、もう一度最初から読み返すと味変!
一冊で2度楽しめる「二度見」ならぬ「二度読み」お薦めの一冊です
かばん屋の相続
池井戸潤 ★★★☆☆
▼今更ながらの一冊、既にWOWWOWでドラマも放送済みですが
私は見ていないので本を買ってしまいました
▼いよいよ10月24日(土)から日本テレビ始まる池井戸潤原作の
「俺たちの箱根駅伝」
▼そのニュースに触れ久々に読みたくなった池井戸作品
▼全6話の短編集、表題の作品は一番最後ですが個人的には3作目の
「手形の行方」、5作目の「妻の元カレ」が好き
新・本所おけら長屋(五)
畠山健二 ★★★☆☆
▼「本所おけら長屋」は飛行機で読むのにもってこい
▼今回は珍しく怪談話も収録されている。第三話の「かたのは」
▼小料理屋を一人で切り盛りする美人女将「お駒」
▼お駒に惚れて結婚を申し込む男は後を絶たない。
▼しかしお駒に惚れた男は皆一応に体調を崩してしまう、その症状も
まったく一緒、お駒という女性は何者なのか・・噂が噂を呼ぶ中
▼ある日そのお駒が島田鉄斎の下を訪れ「用心棒をして欲しい」と頼む
▼夜の10時、鉄斎を伴いお駒が向った先は、過去に悲しい事件が
おきた場所だった▼お駒はその事件とどう関わっているのか
▼やがておけら長屋の「なんでも屋」万・松の2人も震え上がる
お駒の」怖い怖い正体が見えてくる




