新!店長がバカすぎて
早見和真 ★★★★☆
▼山本猛店長が3年ぶりに吉祥寺本店に戻ってきた
▼面倒臭い朝礼の挨拶が復活し前作「店長がバカ過ぎて」の主人公
谷原京子を勝ってに次の店長にしようとウザい指導が始まる
▼前作では作中作「店長がバカ過ぎる」の覆面作者の正体が
明らかになるまでのプロセスが面白かったが
本作「新!店長がバカ過ぎる」でも同じ手法が用いられていている
▼第二の覆面作者の正体は▼京子は次期店長を引き受けるのか否か
▼京子に初めて訪れた恋の予感
▼最後の1ページで続編がある事を匂わせています
小説8050
林真理子★★★★☆
▼内容は、中学時代のいじめが原因で引きこもりとなった息子を
なんとか立ち直らせようと歯科医師の父親が奮闘する物語
▼もっと早い段階で引きこもりの芽を摘むことはできなかったのか
▼息子が19歳になった時父親はようやく息子と向き合う決意をする
▼責任を擦り付け合う両親の言葉の応酬が凄まじい
▼父親と息子はかつてのいじめっ子への復讐を決意、その手段とは
▼表題の8050「はち・まる・ごー・まる」は
80代の親が50代の子どもの生活を支える現象を指していますが
このタイトルはかなり飛躍気味、違和感が大であります
ともぐい
河崎秋子★★★★☆
第170回直木賞を受賞作品
▼実に汚くて生臭く 内臓をえぐられる様な作品。映像化不可能と
思わせるエグさ、文字でしか伝わらない迫力。言葉の勝利といった
作品であります▼山奥で一人暮らすマタギの男「熊爪」、熊や鹿、
兎を狩って食べその皮を売って生きている▼天涯孤独、熊爪自身が
野生動物の一員として生きているのだが▼たまに触れる人間社会の
不条理に脳内変革がおき、心が壊れていくのであります
▼登場人物は誰も謎めいていて、食物連鎖の中に唯一参加していない
動物である人間の観念的ともぐいの恐ろしさが描かれている
とにかくすごい筆圧です。
黄色い家
川上未映子★★★☆☆
▼2024年本屋大賞ノミネート作品
▼ざっくりいうと親ガチャに外れた娘「花」の成長物語。
▼両親が離婚し母子家庭で育った「花」母親はネグレクトで貧困の極み
▼そこに現れた母親の友人「黄美子」との奇妙な共同生活が始まる
▼派手な事件が起きそうで起きない。やがて似た境遇の水商売の
女性たちも加わり共同生活者は4人に増える▼弱かった「花」は強さを
身に付けリーダー的な存在となるのだが、そこから人間関係が悪化、
女性たちの壮絶な大喧嘩が始まるのであります
▼まっとうな生き方ができない女たち、物語が行き着く先は・・と
期待したのでは、最後はフニャフニャでした
天久鷹央の推理カルテ
~神話の密室~ ★★★☆☆
①アルーコール依存所の売れっ子推理作家が救急搬送されてきた
▼病院での治療が始まるのだが、何故か時々酔っ払ってしまう
▼病室に酒などあるはずもないが、何故患者は泥酔してしまうのか
▼主治医から相談を受けた鷹央が診察をしたところ、驚きの事実が
・・・え?そんな病気があったの?
②あるキックボクサーボクサーがチャンピオンになり
ベルトを腰に巻かれた直後リング上で突然死▼原因を調べていた
鷹央は「これは病死ではない殺人だ」と主張、では満員の観客の前で
犯人は如何にしてボクサーを殺害したのか
▼鷹央は今回その真相解明を小鳥に命じる。
これまでひ弱に見えた小鳥が一皮むけたくましくなる物語