三島屋変調百物語 ~七之続~鬼手形 

   宮部みゆき ★★★☆☆

▼怨念・怨霊・地縛霊・・他人には到底信じてもらえない

恐ろしくも不思議な体験▼「誰かに聞いてほし」人たちが

三島屋を訪れる▼「語って語り捨て 聞いて聞き捨て」

門外不出の怪談。聞き手が「おちか」から「富次郎」に

代わって2作目▼突如姿を消した団子屋の娘

▼"火事を食べる"妖怪の正体・・など3編を収録

 

本所おけら長屋(二十) 

       畠山健二★★★★

▼捨て子と思われていた万造の生い立ちが明らかになる

▼実の母親と初め会うシーンはみごとに乙な描写,

お満先生との恋にも新たな展開が▼登場人物たちの謎も

一気に回収され始めこのシリーズが終わりに近づいている

事を予感させますが▼帯の「完結か?」という疑問形は

「まだ終わらない」事を示しているのでは?

▼やきもきしながら次の「外伝」へ

 

本所おけら長屋(外伝) 

       畠山健二 ★★★★

▼やっぱり「おけら長屋」は終わらない

2024年第二幕がスタートという事で安心して「外伝」を

読み始める「エピソード0(ゼロ)」

万造松吉は如何にして出会うことになったのか

金太を長屋の人々が大切にする理由は何か?泣ける

島田鉄斎の過去が明らかとなり 第二幕が待ち遠しい

 

世界で一番透きとおった物語 

        杉井光★★★★

▼最後の最後この本の仕掛けが分かって素直に「拍手」

▼有名な推理作家宮内彰吾とその不倫相手藤阪恵美との

間に生まれた主人公・燈真▼自分の存在は世間にひた隠しに

され 宮内から認知さえされていない

▼その宮内が病死すると腹違いの兄(本妻の息子)から

連絡が来る「父が書き残した未発表の原稿があるらしい

どこに保管されているのか一緒に探してくれないか」

▼未発表の推理小説とは いったどんな内容なのか

原稿を捜すうち宮内と自分の母親の意外な関係が明らかに

▼未発表の作品に電子書籍では成立しない泣ける仕掛け

が施されていた▼前半の謎が見事に回収されています

 

鞍馬天狗(5)地獄太平記

      大佛次郎  ★★☆☆☆

▼評論家・鶴見俊輔が厳選した大佛次郎の傑作シリーズ

「鞍馬天狗」の最終章▼江戸の牢から脱獄した凶暴な男

▼鞍馬天狗がその男を追尾する▼すると脱獄囚を支援する

ある組織の存在が見えてきた▼時代は「第二次長州征伐」

真っ只中、江戸幕府が鉄砲商人から数々の武器を購入する

▼そこで「脱獄囚」が担う重要な役割とは・・・

▼江戸ー横浜ー神戸ー上海を舞台に壮大なスケールの

物語が展開される