1・「北条正子」永井路子 ★★★★

北条正子のイメージを覆す一冊、源頼朝亡き後 尼将軍と

して陰で政治を動かす政子▼二代将軍・頼家の傍若無人な

ふるまいを見かね失脚させると実朝を三代将軍に据える

▼性格が真逆の2人を殺し殺され、北条の権力と源の血を

絶やさぬため両家の狭間で揺れ動く政子▼時に冷血に時に

愛情深く武家政治の創成期に絶大な力を発揮した女性の姿が

描かれている▼世界三大悪女の一人とも称される政子だが

永井路子が女性の目線で鎌倉幕府のファーストレディが

数々の決断をした際の深層心理に食い込んでいる

 

2・「炎環」 永井路子 ★★★☆☆

頼朝北条政子を取り巻く家族や側近たちを描いた作品

▼政子の妹・保子(阿波局)と結婚した全成(ぜんじょう)の悲劇

頼朝政子の娘・大姫木曽義仲の嫡男・義高との悲劇

頼朝の命の恩人、梶原景時源義経との確執 

▼チクリチクられ、殺し殺され、内輪の凄まじい戦いが描かれる

▼昭和39年下半期の直木賞受賞作

 

3・「言の葉は、残りて」 

        佐藤雫 ★★★★

▼鎌倉幕府の三代将軍・実朝の目線で描かれた作品

▼公家の姫・信子との政略結婚▼その信子に導かれ和歌の

魅力を知り「武力ではなく言葉の力によって天下を統治したい」

思うようになる▼兄・頼家とは対照的に情深い実朝

▼しかし信子との間に子供が出来なかった事で後継者を巡る

陰謀と新たなる戦いの渦に巻き込まれていく

▼28歳で頼家の二男・公暁殺されるまでを描いた作品

 

この3冊を読めば「鎌倉殿の13人」をより一層楽しめます

 

4・「愛なき世界(上)(下)」 

     三浦しをん  ★★☆☆☆

▼植物の専門書の様な小説です▼大学院で植物の研究に没頭

する本村紗枝▼大学の前には学生行きつけの洋食屋がある

▼そこで働くのは学業とは無縁藤丸陽太▼店に来る学生たちと

仲良くなり、やがて紗枝に恋をする▼洋食屋の住み込み店員と

大学院の学生、2人の恋の行方はいかに・・・

▼研究内容が図解入りで解説されている珍しい作品です

 

5・「破線のマリス」野沢尚 ★★★☆☆

▼報道番組が持つ危うさ「映像の切取り」が一人の男の人生を

狂わせる▼犯人を連想させる作為的な編集を悪びれる事無く

繰り返す報道局付きの女性編集マン▼高視聴率を錦の御旗に

やりたい放題現実にはあり得ない)上司も制御不能,優秀だが

実にやっかいもの▼「冤罪の濡れ衣を着せられた」と訴える

郵政省の官僚が復讐に出る▼女性編集マンに付きまとい

くり返し謝罪を要求▼別の局の報道番組に出演し冤罪を訴える

▼しかしこの男本当に犯人ではないのか?▼女性編集マンは

殺人事件の独自調査を開始する▼冤罪か冤罪でないのか?

勝つのはどっちだ・・最期はとんでもない結末が待っていた

▼第43回江戸川乱歩賞受賞作