「僕はイエローでホワイトでちょっとブルー」

 プレイディみかこ ★★★★

■東京オリ・パラのテーマである「多様性」とは何かがまるっと

わかる一冊、評判通り内容の濃い作品でありました。

▼ノンフィクションでありますが小説のような面白さ▼イギリスに

住む著者が子どもの成長を通じ痛感していく多様性

▼著者の住む地域や学校には様々な人種、宗教が混在、

貧富の差も激しいがそれぞれがアイデンティーを持ち生きている

▼無知や誤解、理解不足が時に人間関係をギクシャクさせるも

子どもの頃から多種多様な文化や価値観を目の当たりにする事で

異文化に対する免疫と理解が生まれる。

▼日本では経験しようもない環境で育った子供たちは身をもって

「多様性」を学んでいくのであります▼読むべき一冊です

 

「余命3000文字」 村崎羯諦  ★★★☆☆

■一言でいうとフジテレビの「世にも奇妙な物語」であります。

全26作品。いずれも非常に短い摩訶不思議な物語、表題の

「余命3000文字は」その作品の内の一つ▼どれもそれなりの

オチがあるのですが、正直出来不出来の差が激しいです。

▼ちなみに作者の名前、村崎羯諦(むらさき・ぎゃてい)と

読むらしいです。摩訶不思議なお名前ですな!


「暗黒自治区」 亀野仁★★☆☆

▼2021年・第19回『このミステリーがすごい! 大賞文庫グランプリ

受賞作品▼「SF警察小説」とでもいうのでしょうか、日本が他の

国に乗っ取られ、中国らしき国に支配された横浜が舞台

▼襲撃された護送車から女性受刑者を救い出した日本人の

刑事、それを追う中国人らしき刑事、銃撃戦を中心とする

アクションシーンの描写が濃密▼物語のキモは女性受刑者と

救い出した日本人刑事の関係

▼そのミステリーは本当に凄いのか????

 

「高校事変Ⅹ」 松岡圭祐野仁★★☆☆

▼自分の中で勝手に「第三章」の始まりと位置付けた第10巻

「第一章」では武蔵小杉高校テロ事件の真相に迫り

「第二章」でその黒幕、田代ファミリーを壊滅させる、しかしその

背後にはまた別の黒幕がいた、それが優莉結衣の兄・架禱斗

「第三章」はその兄との闘いの始まりである▼失敗だったのは

「暗黒自治区」に続いてこの本に手を出した事。頭の中は銃撃音

でいっぱい▼本作の3分の2は戦いの場面に終始、既視感満載

ラスト10ページでようやく次巻への期待感が持てたものの

▼主人公の優莉結衣が殴られ過ぎ、あまりにも不死身過ぎて

生きている事への違和感を覚えてしまう第10巻でありました(笑)

 

「同町圧力なんかクソくらえ」 堀江貴文

 ★★☆☆

■withコロナについての考え方がしっかりと語られているのかと

思いきやドラマ「トリック」の「ドンとこい超常現象」ばりの本でした

▼とはいえぶれない【堀江節】、定期的にこうした本を出し己の

主張を発信し続けているのはやはり根強い同調者がいる証拠

▼家を持たずホテルや友人宅を泊まり歩く生活を続ける一方で

肉屋経営にロケット開発‥等々 その行動力は類まれなる輩で

あります▼「同調圧力なんかクソくらえ」という表題に100%

共感し手には取っては見たけれど、内容はコロナとはほぼ無縁

堀江バイブルでした!