「犬がいた季節」 伊吹有喜★★★☆☆
▼2021年本屋大賞第3位。高校で飼われるようになった犬の
「コーシロー」の目を通した群像劇▼毎年卒業していく生徒たちが
少しずつ繋がりながら物語が紡がれる「連作短篇集」
▼生徒の悩みや迷い、酸っぱい恋に、青い日々
三重県の高校を舞台にした平成青春物語であります。
「か・く・し・ご・と」 住野よる ★★☆☆☆
▼高校の仲良し5人組、(男子2人 女子3人)それぞれに特殊な
能力を持っている。▼友人の頭の上に今の気持ちを表す「?」
「!」 などのマークが見える子▼心の動揺を示す「メモリ」が
見える子▼心臓の鼓動から心の動揺を読み取ることができる子
▼しかしそんな能力があるが故にお互いがお互いの隠し事を
深読みし、間違った解釈や誤解がいらぬ「おせっかい」に発展
関係がギクシャクとしていく▼卒業までの胸キュンエピソードを
5人の視点から描く【5つの物語】
「三島屋変調百物語 事続・あんじゅう」
宮部みゆき ★★★★☆
▼人には信じてもらえない摩訶不思議な体験談を聞き集める
三島屋。聞き手は主の姪「おちか」 ▼今回100物語りの新たな
ページに記されるのは①逃げ水 ②藪から千本 ③吼える仏
④暗獣・・の4話、怖い幽霊話の中に登場する霊のキャラクター
たちが皆とても可愛い▼そこに霊が存在する理由を聞き手の
「おちか」が解き明かす。
「本所おけら長屋(十四)」
畠山健二★★★☆☆
▼その壱「まつあね」
診療所で働く「松吉」の義姉が、患者の男に20両という大金を
貸してしまう。そこにはどんな経緯があったのか?そしてちゃんと
返してもらえるのか?
▼その弐「かたまゆ」
普段は優しい夫が酒を飲むと豹変、酒乱男に酒をやめさせる
方法はないか?おけら長屋の人たちが一石二鳥の作戦を実行
▼その参「きれかけ」
行方不明になった長屋の娘「お菜美」が2年ぶりに帰ってきた。
しかもお腹が大きい!父親は誰なのか?この2年間に何が
あったのか?
▼その四「おみくじ」
おけら長屋の「お栄」ちゃんがいよいよ出産の時を
迎えるが、住人たちの悪気ないおせっかいが「お栄」を悩ませる
「高校事変Ⅶ」 松岡圭祐 ★★☆☆☆
▼相も変わらぬ突き抜けたバカバカしさ。今回はコロナの影響で
春の全国大会が中止になった甲子園球場が舞台。グラウンドに
降り立つヘリコプターが積んでいたものは・・▼警察が犯罪組織
と化したハチャメチャなストーリーが展開するのであります。
▼お世辞にも面白いとは言えないが、何故か一気読みしてしまう
不思議なこの本、すでにⅧ(8巻)に手を伸ばしている自分が怖い