「魔弾の射手」 知念実希人 ★★★☆☆

▼医療ミスでつぶれた病院の屋上から一人の女性が転落死

▼警察は一度「自殺」と結論付けるが残された一人娘(高校生)は

「母は誰かに殺された」と主張する▼そこで立ち上がったのが

転落した母が搬送された病院の医師3人▼遺体には外部から

暴行が加えられたような痕跡はない。しかし調べていくと・・・・

廃病院の闇、そしてあるトリックが見えてくる ▼「魔弾の射手」

有名なオペラの題名、これをオマージュしたのかどうかは不明

ですが、全編オーケストラの演奏が響いているかの如き作品

 

「そして誰もいなくなる」 今邑 彩 ★★★★

▼こちらは間違いなくアガサ・クリスティーの同名小説を

オマージュした作品であります▼高校の演劇部で起きた連続

殺人事件▼保護者らを集めて行われた公演中女子生徒が死亡

▼これを皮切りに演劇部の生徒が次々殺されていく

▼犯人は誰だ?中盤怪しげな人物がクローズアップされていく

▼しかし終盤で二転三転四転・・なかなかなの仕掛けであります

 

「高校事変Ⅲ」 松岡圭祐  ★★☆☆

▼荒唐無稽極まる作品、リアリティーはゼロだが、

▼登場人物は実在する誰かとオーバーラップ、潔いまでの

でたらめぶりが癖になるこのシリーズ▼その3作目はさながら

【バトルロワイヤル】であります。2作目で影を潜めたド派手な

バイオレンスアクションが復活▼不登校児や不良を集め

矯正する全寮制の高校に強制的に転校させられた主人公の

優莉結衣▼そこで目にしたのは矯正という名の【人体実験】

▼再び武装勢力が登場、監禁状態に置かれた高校生たちは

如何にしてそこから脱出するのか、先導する結衣

血しぶきを浴びながら銃を手に大暴れします。

 

「今はちょっとついてないだけ」伊吹有喜 

★★★☆☆

▼「面白かった?」と聞かれれば 「それ程でも・・」

「つまらなかったか?」と聞かれれば「そんな事はない」と答える

そんな作品であります▼仕事に行き詰まり目標を失った30代~

40代の人たちが、力を合わせ第二の人生を歩み始める

▼カメラマン、芸人、テレビプロデューサー、OL、美容師

異なる職種で【挫折】した面々がひょんなことから知り合い

新たな【やりがい】を見つけ起業▼これまで気付かなかった事に

気付き、新たな境地に達する▼仕事、家族、恋愛・・

誰に巡り合うかで変わる人生、傲慢な考え方をしてきた人たちの

「気付き」「変化」が身に染みる作品であります

 

「ノーマンズランド」誉田哲也 ★★☆☆

▼北朝鮮工作員による拉致事件、政府公安の隠ぺい工作と、

きな臭い展開▼発端となた女性殺人事件の捜査はどうなった?

・・こちらは続編で描かれるのだろうが、なんか不完全燃焼

▼日本の安全保障,自衛隊の位置づけ、憲法改正について

作者の思想が臭う▼拉致事件に関与した工作員への恨み爆発、

どんな復讐をしたのか・・是非ご一読あれ