「ノーサイドゲーム」 池井戸潤
★★★★☆
▼TBSの日9ドラマの原作本、(7月7日(日)スタート)
▼「下町ロケット」ゴースト&ヤタガラス編に続き
ドラマが始まる直前の出版。読んでから見るか 見てから読むか
私は読んでから見る派・・・
▼社会人ラグビー部の存続を掛けた戦い。
▼池井戸作品の醍醐味である上司との戦いもあります
▼試合に勝利する事と企業経営には数々の共通点がある
▼そのメソッドやアナロジー、パラダイムシフトの重要性
▼主人公の君嶋隼人 ( 大泉 洋)の奮闘ぶり
▼上司をやり込める時のセリフも実にカッコ良く,説得力がある。
▼その「セリフ」が浮かないところが、池井戸作品の最大の魅力
▼パターン化されていはいるが、まだ飽きない
▼TBS日曜ドラマは「集団左遷」で若干こけた感があるが
「ノーサードゲーム」の視聴率は如何に
▼個人的にはミュージカル女優【笹本玲奈】がテレビドラマで
どんな演技を見せてくれるのかが楽しみだ。
「蜜蜂と遠雷」 恩田陸
★★★☆☆
▼ピアノコンクールのコンテスタント達が並列に描かれた作品
参加者が10人いれば10通りの個性がある。
▼ピアノの音を10通り言葉で差別化するのは至難の業
そこに挑戦したのが本作だと思う。どんな言葉を用いて
個性の違いを表現しているのかに注目して読んでみると
飽きないと思う
▼個人的には最年少コンテスタントの風間塵を
もっと深く描いてほしかったが、
▼作者が何度もコンクールに脚を運び10年掛かりで
完成させたという事で、
▼人物を描くというより【音を言語化】する事に
かなりの勢力を注いだようだ。ページ数は多いが
1ページの字数はかなり少ない。
「フォルトゥナの瞳」 百田尚樹
★★★☆☆
▼すでに映画化されている作品、いまさらながら読んでみた
▼人の死を予知する能力を持つ主人公、
おまけにその人の命を救う事も出来る。
▼しかし救えば救うだけ自分の寿命は短くなる。
▼恋人,同僚、上司、保育園の幼児が
近い将来、何らかの事故で死亡する事がわかった時
あなたは自分の寿命と引き換えにその人達を
救うことはできますか?・・・と作品は問いかける。
▼百田氏のツイッター等での過激な発言とはかけ離れた作品
▼小説家の引退を表明しているが百田は今後
どこに向かうのだろうか
「海の見える街」 畑野智美
★★☆☆☆
▼図書館で働く人たちの人間模様
▼舞台となる図書館の職員たちは皆、人生を変えるような
辛い過去と心の傷を持ち、それを隠しながら生きている。
▼図書館で起きるハプニングや子どもたちとのふれあいを
きっかけに鬱屈した心が徐々に解きほぐされていく
▼コスプレ大好きな派遣社員の女性
▼インコが唯一の友だちとい暗い青年
▼産休をとっている影のある女性
▼ロリコン画像ばかり見ている男性職員・・・
それぞれが抱える過去とは何か?
「いつか眠りにつく日」 いぬじゅん
★★★☆☆
▼修学旅行中のバス事故で死亡した女子高校生。
▼成仏するためにはこの世に残した未練を
3つ解消しなければならない。3つ=3人
▼親友、片思いの同級生、祖母・・・
主人公がその3人への未練を解消した時大どんでん返し
▼エピローグで、それまで感じていた違和感や謎が
解消しますが泣けそうで、泣けない。涙の寸止め!
▼そもそもケータイ小説のため文書の運びがたんぱく
▼決してつまらない本ではありませんが