下矢印メール続きです。
そして避けては通れないレモンのことだけど、不安に思ったら何でも聞いて欲しい。ミントの気持ちが納得するまでちゃんと話していくつもりだから。
確かにレモンのことはとても好きだったし、この先もずっと親友だと思う。いくら自分が友達をやめようと思っても、無理だと思うし。本当にこんなことはずるいことで、ミントだって納得いかないよね。これについては本当に今でも悩んでる。いまは海外にいるからいいけど、帰ってきたらどうなるんだろう…って。例えば、数年後にレモンたちが帰国したとして、その日は当然自分が泊まりにくると思ってレモンの両親は待っていると思う。そしてみんなで食事に行ったり、その後レモンと2人で飲みに行かせてくれたり気を使ってくれると思う。クリスマスなんかも、レモンの娘ちゃんはいつもウチでクリスマスパーティーをやって、ウチの家族みんなからそれぞれプレゼントをもらったりしてるから、そういうのも再開してしまうかもしれない。そういう関係なんだよね…。 いくらそこに恋愛感情はなくても、ミントにしてみたらそれ以上のなにか強いつながりを感じてしまうよね…。本当にごめんね…。でも、こういうのもいつかはちゃんとケジメをつけないとね。ミントを寂しくさせたり、悲しくさせたりしたくないから。

今まで、自分が死ぬときは将来どんなにレモンと離れていても、レモンのことを思い出して死ぬだろうなぁ…って思ってた。でもね、この前駅までの道を1人で歩いているとき、死ぬときはミントのことを想うんじゃないかな…。って感じたんだ。何故かはわからないけど、ふっとそう思った。 たぶん本気で好きになったということだと思う。あんなに長い間好きだったレモンのことをわずか数ヶ月で飛び越していくミントってすごい!とびっくりしたよ。

レモンが結婚する前日にね、「モヒちゃんのことをずっと愛してる」って言われたんだ。レモンはそんなことを自分から絶対口にするような人じゃなかったから、自分もすごく驚いたし、次の日に結婚式に出るのは本当に辛かったよ…。実際その後何年も、いやつい最近まで、その言葉にがんじがらめになっていた。でも、レモンが結婚してしまって傷ついたのは自分だけじゃない。レモンだって自分とのことがあって心から幸せな結婚はできなかったと思う。自分がもっと大きな心でレモンの結婚を祝福してあげられたらよかったのかもしれないけど、そのときの自分にはやっぱりできなかったからね…。だからケンカもたくさんしたよ。

でもこうして、何年もの月日をレモンへの償いに使って、やっと最近もういいかな…と思ったんだ。

だから、まだミントに出会う前だけど、レモンには、「もうレモンから離れたい」ってちゃんと伝えたんだ。それに対して明確な返事は来なかったけど、レモンも私に連絡を取るのを意識的に控えてるみたいだったよ。
そして、ミントとつきあうことになって、そのこともちゃんとレモンには言ったよ。これには返事が返ってきた。「私を見ていて欲しい」て。でも、もうこれに対して自分が返事を書くことはないよ。それがレモンに対しての答えだし、ミントに対しての答えでもあるから。
ミントにしてみれば、自分はいつまでもどっちつかずの優柔不断って思われても仕方ないけど、たぶんミントが思うよりは自分の心の中にレモンに対してはきちんと線を引いているし、なによりもミントのことだけを大切にしたいと思ってる。 

つづく…