今日はバレンタインデーだ。私は、ずっと好きだったクラスメートのユウキにチョコレートを渡したいと思っていた。でも、彼は人気があって、他の女の子からもたくさんのチョコレートをもらっているだろう。私のチョコレートなんて、埋もれてしまうかもしれない。それでも、私は諦めない。私は、一生懸命に手作りしたチョコレートを持って、学校に向かった。

放課後、私はユウキを探した。彼は、教室の前に立っていた。彼の机の上には、色とりどりのチョコレートが山積みになっていた。私は、勇気を出して彼に近づいた。

「ユウキ、ちょっといい?」

「あ、なに?」

彼は、私を見て微笑んだ。私は、ドキドキしながらチョコレートを差し出した。

「これ、あげる。バレンタインのチョコレートだよ」

「え、本当?ありがとう!」

彼は、私のチョコレートを受け取ってくれた。私は、嬉しくて涙が出そうだった。

「でも、こんなにもらってるし、食べられるかな?」

彼は、机の上のチョコレートを指さした。私は、がっかりした。

「そうだね。でも、私のチョコレートは特別なんだよ。なんでかわかる?」

「特別?どうして?」

彼は、不思議そうに私のチョコレートを見た。私は、恥ずかしくて顔を赤くした。

「だって、私はユウキのことが好きだから」

私は、そう言って走り去った。彼は、驚いて私の後を追ってきた。

「え、待って!本当に?」

彼は、私に追いついて手を握った。私は、彼の瞳に見つめられた。

「私も、なおのことが好きだよ。だから、なおのチョコレートは一番に食べるね」

彼は、そう言って私のチョコレートを開けた。私は、彼の笑顔にキュンとした。

「ほら、食べてみて。おいしいよ」

私は、彼にチョコレートを口に運んだ。彼は、噛んでから目を丸くした。

「うわ、すごい!これ、なんだ?」

「なにって、チョコレートだよ」

「いや、チョコレートじゃなくて、中に入ってるもの」

「中に入ってるもの?」

私は、不安になって自分のチョコレートを見た。すると、中から小さな紙切れが出てきた。そこには、私の携帯番号が書いてあった。

「あ、これ……」

私は、思い出した。私は、チョコレートを作るときに、自分の携帯番号を書いた紙切れを入れておいたのだ。もし、ユウキが私のチョコレートを食べてくれたら、連絡してくれるかもしれないと思って。でも、こんなに早く見つかるとは思わなかった。

「これ、なおが入れたの?」

彼は、紙切れを見て私に聞いた。私は、うなずいた。

「ごめんね。驚かせちゃって」

「いや、いいよ。むしろ、嬉しいよ。これで、なおにいつでも連絡できるね」

彼は、そう言って私にキスした。私は、幸せに笑った。

「ありがとう、ユウキ。私のチョコレート、気に入ってくれた?」

「うん、大好きだよ。なおのチョコレートも、なおも」

彼は、そう言って私を抱きしめた。私は、彼の胸に顔を埋めた。

「私も、ユウキが大好きだよ」

私たちは、しばらくそうして抱き合っていた。私のチョコレートは、特別だった。ユウキと私の恋の始まりのチョコレートだった。