遅延性ジスキネジア
遅延性ジスキネジアとは、抗精神病薬などの薬剤を長期に服用することで発症する、不随意運動の一種です。
遅延性ジスキネジアの症状は、主に口唇や舌、顔、手足などに現れます。具体的には、以下のようなものがあります。
- 口唇や舌の動き:唇をすぼめる、舌を左右に動かす、口をもぐもぐさせる、口を突き出す、歯を食いしばる、目を閉じてなかなか開けない、顔をしかめる、などの症状
- 手足の動き:勝手に手が動いてしまう、足が動いてしまって歩きにくい、手に力が入って抜けない、足が突っ張って歩きにくい、筋肉が突っ張って姿勢が変になる、などの症状
遅延性ジスキネジアは、抗精神病薬の服用を開始してから数ヶ月から数年後に発症することが多いとされています。
また、抗精神病薬の服用量が多いほど、発症リスクが高くなると考えられています。
遅延性ジスキネジアの原因は、完全には解明されていませんが、
ドーパミン受容体への長期的な作用が関与していると考えられています。
ドーパミンは、脳の運動機能を調節する神経伝達物質です。
抗精神病薬は、ドーパミン受容体をブロックすることで、統合失調症などの精神疾患の症状を改善します。
しかし、抗精神病薬の長期的な服用により、ドーパミン受容体が過剰に刺激を受けて、
不随意運動が起こると考えられています。
遅延性ジスキネジアの治療は、原因となっている薬剤の量を減らすか、別の薬剤に変更することで症状を改善することができます。また、症状の程度や患者の希望に合わせて、薬物療法や手術療法が行われることもあります。
遅延性ジスキネジアは、日常生活に支障をきたすこともあるため、早期に治療することが大切です。
遅延性ジスキネジアの予防には、抗精神病薬の服用量をできるだけ減らすことが重要です。
また、抗精神病薬を長期に服用する必要がある場合は、定期的に医師の診察を受け、遅延性ジスキネジアの症状がないか注意することが大切です。
ジスパル(ジスバル)は、田辺三菱製薬が製造・販売する、遅延性ジスキネジアの治療薬です。
一般名はバルベナジンで、2022年3月28日に厚生労働省から製造販売承認を取得しました。
ジスパルは、小胞モノアミントランスポーター2(VMAT2)阻害剤と呼ばれる薬剤です。
VMAT2は、脳内のドーパミンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質を細胞内に輸送する役割を担っています。
ジスパルは、VMAT2を阻害することで、これらの神経伝達物質の放出を促進し、遅延性ジスキネジアの症状を改善します。
ジスパルの有効性と安全性は、国内で実施された2つの臨床試験で確認されています。
1つ目の臨床試験は、抗精神病薬の服用によって遅延性ジスキネジアを発症した患者を対象とした試験です。
ジスパルの投与により、プラセボと比較して、症状の改善が認められました。
2つ目の臨床試験は、抗精神病薬の服用を開始したばかりの患者を対象とした試験です。
ジスパルの投与により、遅延性ジスキネジアの発症を抑制する効果が認められました。
ジスパルの主な副作用は、眠気、ふらつき、口渇、便秘、体重増加などです。
また、まれにQT延長などの心電図異常が報告されています。
ジスパルは、遅延性ジスキネジアの治療に新たな選択肢となることが期待されています。
ジスパルの用法・用量は、通常、成人にはバルベナジンとして1日1回40mgを経口投与します。なお、症状により適宜増減するが、1日1回80mgを超えないこととする。
ジスパルは、遅延性ジスキネジアの治療に効果的な薬剤ですが、副作用にも注意が必要です。ジスパルを服用する際には、医師の指示に従って正しく服用するようにしましょう。
まだ、通ってる精神医が、脳内科の先生に遅延性ジスキネジアの症状緩和すのを丸投げしたので
脳内科の医師に薬剤名を聞いたところ、新薬だからと悩みながら処方してくれました
飲み始めですが、薬剤師より鬱症状が副作用で出る場合と眠気が出る場合がるので気を付けるように言われました