思えば、1番好きな季節は いつだって

変わってきたような気がする。

とても単純だ。

そのときの恋人と上手くいっている季節が、そのときの

わたしにとっていちばん好きな季節なのだ。


ちょっと待ってくれ。

ここまで書いて自分でも、わたしって馬鹿な恋愛脳の女だな、

と思ってしまったが、本当だから仕方ない。

 

 でも、その楽しかっただろう恋人との記憶とやらは

どれも曖昧で、反対に、思い浮かぶのは1番嫌いな季節だ。


例えば、夏。

恋人と花火大会に行く約束は、

果たされぬまま 恋は終わりを告げた。

新しく買ったばかりの浴衣は、私に着られることはなかった。

いつか出番が来ることを待っているみたいだが、

あいにく、今年の夏もきっとダンボールの中でゆっくりしててもらわないといけないらしい。


それから、冬。

恋人と上手くいかないことに苛苛して

パジャマ姿でアパートを飛び出した夜の

あの刺すような寒さは、余計にわたしの孤独感を募らせた。

右手にコンビニで買ったジンのボトルをもっていた私は

それを時々飲みながらひとりで歌った。

周りからどう見られたっていいと思っていた。

そのとき、飲み会帰りの恋人が私を丁度みつけた。

「なにしてるの」

「べつに」

恋人のまわりの仕事仲間が

じろじろこちらを見ているような気がしたが、

目の悪い私はそのとき裸眼だったのでよく分からなかった。

感情がぐちゃぐちゃになって、彼の手を振り払って

あてもなく歩き始めた。

追いかけてくると思っていた恋人は来なかった。

ほどなくして、恋人から別れようと言われた。

メンタルは限界だった。


次の日、ジンを飲みすぎて二日酔いだったわたしは

LINEのトーク画面の上から5人ほどに

気持ち悪いから飲み物とか買ってきてくれないかと頼んだ。

そのなかでいちばんレスポンスが早かった後輩の男の子が

次の恋人だった。


その人の好きなところは

何を考えているかわからないところだった。


いつもその表情からは感情が読めないが、たまに笑う。

その笑った瞬間に

わたしはものすごい多幸感をおぼえるのだった。


彼について語りたいことはたくさんあるが、

テーマから逸れてしまうのでまた今度にする。



1番好きな季節は、全部です、といつか言いたい。

その季節すべてに、大切な人がいつも隣にいるならば、

好きな季節は全部です、と言えるだろうから。



 

 

同じネタで投稿する

 

他の投稿ネタを確認する