年の瀬だからって、日常は日常だ。
朝起きて夜寝るまでのサイクルが劇的に変化するわけでもない。
妻の性格が変わるでもなければ、私の人間性が向上するわけでもない。
テレビの中のばか騒ぎさえシャットアウトしたら、日常とたいして変わらない平々凡々さ。
妻が忙しそうにふるまっているのは、世間への同調と私への当て付けだろう。(本当に忙しかったら、口を動かす前に手を動かしてるはずだ)
おせち料理の注文はとっくに済んだだろうし、換気扇掃除の指示も済ませたはずだ。(ところで女性のアゴとは何のためについてるのだろうか?)
どうやら年越しそばの具材をかき揚げにするか、山菜にするかで気忙しいようだ。
彼女にとっての今年最大の悩み事らしい。(眉間にシワ寄せてるし)
『これが決まらないと年が越せない!』とたくあんポリポリかじりながら、主婦の大変さを嘆いてみせるあたりに彼女の女としての度量を感じる。
とりあえず年末だ。
今年一年を振り返りながら、ビールでも飲もう。
冷蔵庫から缶ビールを取り出す。
が、待ったがかかる。
『ビール飲む前にやることあるんじゃない?』
やっぱり……どう考えても日常だ!
