母のこと 2 | mint わたしにできること

mint わたしにできること

2014年2月末に母のS字結腸ガンがわかり、肝臓にも数個転移あり。
私にできることは何か、見聞きし試行錯誤しながら
これからも私にできることを探し続けていきたくて、ブログをはじめました。
告知から今までをメッセージボードに記載しました。

10年前のある朝、

気分が悪いの~
ちょっと来てくれる?

と母から電話があり、

病院に行かなあかんのかな?
とりあえずお財布と携帯と持って、と実家へ。

その頃は実家まで徒歩3分ほどのとこに住んでたので、気持ち小走りで行きました。

母の部屋に入ると、
ベッドの頭部分を握りながら、とっても苦しそうで!!

びっくりして、

どうしたん?!
苦しいの??!
痛いの??!

やぁどうしよー!!
どうしたらいいのー!!!

とめっちゃパニックな私。


母が、

救急車呼んだから…


と。


あ、そっか、救急車救急車!!


あ、母が呼んだって。。。


目を白黒させる、とはこのことかとそのとき思いました。

母の目が痛さを訴えてて。


あぁぁ~どうしよう~
大丈夫?
大丈夫じゃないよね?
どうしたんやろ~

とオロオロするしかできない私。

そしたらすぐに救急車のサイレンが聞こえてきて、


あ、来はったわ
開けてくるから待っててね!!

と急いで玄関に出て隊員の方に2階です、とお願いして。


おばあちゃんに、
お母さん具合悪いから病院行ってくるね
詳しくわかったらまた帰ってくるからね

と、耳が遠いので簡単に伝えて
救急車に乗り込みました。


救急車の中でもずっと目を白黒させて痛がってて。
子宮がんのときにお世話になった病院に運んでもらい、処置室に入って行く母を見送り、父に電話して。


おばあちゃんのこともどうしよう~と父に話したら、◯◯さん(母の妹)に電話したら?
あ、そうか、
と、叔母に電話しておばあちゃんのことを頼み、母の処置を待ってました。


そして、検査の機械が空かないからと長い時間待たされ、ようやく検査できてわかったことは、


突発性食道破裂


でした。


胃と食道の繋ぎ目あたりが破裂することは、飲み過ぎなどでもどすことを繰り返してると起こりやすいらしいのですが、母の場合は食道の真ん中あたりだから原因はわからず、突発性としか、と言われました。


破裂したとこから漏れてるものが体内に出てるので、それを管を入れて抜き取る手術をしようと思います、と説明を受けてるときに連絡が入り、
それだけでは無理だから、切って中のものを取り出し、破裂した部分を縫うことになりました。


10時過ぎに病院について、
手術をしてもらえるようになったのが夕方の4時過ぎ。

その間、ただ心配して待つことしかできず。


あの痛がってる顔が何度も何度も浮かんで。


約8時間の手術が終わり、ICUに入ってしばらくたってから面会させてもらいました。


一瞬、違う人のベッドじゃ?と思うほど母の顔は浮腫んでパンパン。

すぐに手を握り、
もう大丈夫よ。
よく頑張ったね。

と眠ってる母に声をかけ。


先生からのお話、
目が覚めたら痛みが強いと思うので、このまま薬で眠ってもらったまま様子をみて、少しずつ薬から覚めてもらおうと思います。
その間は人工呼吸器をつけてるので、目が覚めたときの後遺症みたいなものとして幻覚が見られることがありますが、それも時間が経てば元通りになります。とのこと。


それから2日ほどだったか、母は眠り続け、毎日眠ってる母に面会に行き、手を握り話しかけて。


そして、そろそろ目が覚めるようにしますと言われた日、病院に行くと目が開いてる母に会えて、

あ~よかった~
よく頑張ったね

と話しかけると
表情があまり動かず、
でもまだ痛みもあるだろうし
これから少しずつ良くなる良くなる、とまずは一安心して、
また明日くるね
と帰りました。

そして翌朝、
病院から電話があって、

娘さんに会いたがってるので来れますか?

と。

何かあったのかと心配になると、

いえ、大丈夫ですよ。
ただ、お母さんが呼んで欲しいと言ってるので、

と。

急いで病院に行くと、


コソコソっと小さい声で、

帰りたいから連れて帰って。
お父さん呼んで。
電話して。

と。


なんで?

と聞くと


ここの部屋にいたら何されるかわからへんから。
昨夜こわかってん。


と。

それを看護師さんに言うと、

幻覚が出てるんですね
でも大丈夫ですよ


それから何日かして、
一般病棟のナースセンターの前のお部屋(まだ一般のお部屋ではなく)に移動できて、母もちょっと安心したんですが、
それでも夜になるといろいろ幻覚が見えるみたいで、翌日行った私にあれこれ話してくれました。

その幻覚も1週間ほどだったか~毎日毎日聞いては、ふむふむ、と返事をする私。

たとえば、

隣のベッドの人、昨夜、壁から出てきはってん。ベッドごと。

とか、


看護婦さんたち、キャスター付きの椅子に座ってあちこちシュンシュン動きはんねん。

とか、


お部屋の人(患者さんたち)が私のベッドのまわりに立ってじっと見てはるねん。


とか、


点滴を見にきてくれる看護婦さん、手をあわせてお祈りしてはるねん。

とか。





そしてある日病院に着いたら、

私、幻覚が見えてたみたいなの
こわかったわ~
なんで幻覚が見えてるんよって言ってくれへんかったの~

あ~こわかったわ~

と突然ふつうに戻った母。


あぁぁぁぁー

よかったー

戻ってくれてほんとよかったーーー


それから一般病棟の大部屋に移り、
食事が取れるようになるまでかなり時間がかかりましたが(食道なので絶食が長かったです)、食べれるようになり、無事退院できるようになりました。


胸の下(ちょうど膨らみの下あたり)から背中の真ん中に向けて半分ほどのとこまで横に切った傷は、少~しずつ少~しずつ薄い色になってきてるように思います


{63874188-497D-4FCB-BB95-402E35B8798D:01}