ええ~~~んカゼ

とっても、かなしい汗


中村又五郎さんがお亡くなりになった。


to be to be ten made to be




大好きだった。



又五郎さんが舞台に出てくると、一気にその時代に引き込まれる。

小粒ながら、きりっと引き締まった舞台は、観ていて小気味良い。


そして、なによりも、品があった。





15年くらい前、夜の部を観るために歌舞伎座に行く途中、

偶然、三越の中から又五郎さんが出ていらした。


藍色のお着物をきちんとお行儀良く襟を深めにあわせてお召しになり、

真っ白な御髪は、一本の乱れもなく整えられ、

黒ぶちのめがねも曇りひとつなく、

にこにこと幸せそうな顔をされたその手の中には、

ラルフローレンの小さな紙袋をお持ちになっていた。


あの小ささでは、おそらくハンカチか靴下か?


藍の着物に合わせたような紺色の紙袋。

小柄な御身体に程よいサイズの小振りさ。


すすすっと早足で歩かれるその姿に、無駄はなく、

すべてが洗練されていて、そして幸せそうで、

偶然目があった時に、自然と会釈をしてしまった。


又五郎さんもごくごく自然に会釈して下さった。



素敵だった。





その後、俳優祭の時にロビーですれ違い、

お声をかけさせていただいた。


ドキドキして何も言えない私をニコニコと見守り、

「貴方みたいな若い人は、たくさん楽しまなくちゃね」

と、早口で言いながら、肩をポンポンと叩かれ、

時蔵丈のバーカウンターのブースまで案内された。


「ほら、おきれいさんにお酌してもらいなさい」って。



時蔵丈に「あ~ら、お姉さん、いらっしゃ~~~いラブラブ

と、招き入れられたのは言うまでもない。