起業を目指す学生が増えているとの報道をテレビで見ました。起業部、起業サークル活動も活発になっており、3倍以上に拡大しています。起業を志す年齢が年々若くなっており、高校生のうちに起業したいと考えている人は14%を占めるという調査結果もあるそうです。

 キャリアを考えるのは小学生からでも早すぎない。文科省は、2018年より早い段階から自分の将来を考えることができる子供を育成するため、小中学生に対するキャリア教育の充実に乗り出しています。選択肢の多様化に合わせた進路指導の調査や、起業体験の推進などのモデル事業を実施するため、予算を組んでいます。

 主に小学校高学年(5,6年生)を対象に、児童や保護者のニーズを掘り起こし、進路に関する情報提供の仕方など効果的な指導の在り方を検討し、4地域の教育委員会をモデルとし、全国への拡大を目指しています。

 起業体験の推進事業は、14地域の小中高校を対象に実施しています。児童・生徒が活動を通じて、チャレンジ精神や他者と協力しながら新しい価値を創造する力といった、これからの時代に求められる資質や能力の育成を図っています。

 文科省によれば、公立中高一貫教育を導入する自治体の増加を背景に、大都市圏だけでなく、地方でも公立中学の入学者選抜(適正検査)を受ける児童が珍しくなくなってきています。それでも、小学校で児童の進路選択を扱う機会はまだまだ少ないです。進路指導に対するニーズが増えている一方で、民間の塾と公立学校との間で、相談体制や情報量に格差が生じてしまっています。

 こうした実情を踏まえて、モデル事業は、自分の将来を考えるのに必要な情報を、児童・生徒が等しく得られるようにする狙いがあるようです。なりたい職業やキャリアを意識したうえで、どんな進路選択や勉強をするべきかを考える教育を推進したい考えです。学習指導要領は、進路指導を含めた小学校段階からのキャリア教育の充実を明確に位置付けています。

 保護者のインタビューでは、「今は会社がつぶれる時代。自分の好きなものを仕事につなげられる時代なので自分の好きを仕事にできればと願っています。」という話が印象的でした。東京の起業塾では小学生が7割を占めており、ここ1年で2倍の数に増えているそうです。起業を通して小学生が簿記や時間価値の勉強を行っているのをみて隔世の感を覚えましたが、生きていくために重要な考えを学ぶのは非常に良いと思いました。講師の話では「0から1を生み出すには脳が柔軟な若いうちが理想的」ということもうなずけます。

 今は2足、3足のわらじを履く生き方などいろいろな選択肢があるので、小さいうちから将来への目的意識を持つことを身に着けていくのは大事です。米国では優秀な人ほど起業を志すという話もあるようです。日本の教育も時代にあわせて変わっていき、社会に活力が出るようにしていくと日本発の新しいビジネスが世界に向けて発信できるようになると思います。