バイトを辞めてすぐ新しい仕事に就く私は、忙しさに身を置く事で、寂しさと空虚さを忘れようとしていた
ケイくんからは何も連絡は来ない
きっともう私と交流しても、彼には何もメリットがないからだろう
新しい場所で新しい仕事、新しい同僚に囲まれて人生を送っていくのだろう
ケイくんも私も
それがお互いの成長で、人生の変化の一つで当たり前の出来事だとしても、やっぱりちょっと寂しくて
もう燃えるような気持ちは残ってないけど、一瞬でも好きになった気持ちが小さく膝を抱えて三角座りしてるみたい
電車の窓から見える景色は、華やかで楽しげだけどどこにもケイくんはいない
おしゃれでカッコいい人がたくさん通る中、1番好きだった彼はもう遠くのどこかで、かわいい彼女と歩いているかも
私も変わらなきゃ
やっと能動的な言葉が出てきた
流されて生きているようで、自ら泳いでいるんだよね
信号が赤に変わる前に交差点を小走りで走りながら、新しい職場に急いだ
さよならバイト生活
さよなら洗車バイト
さよなら
ケイくん
バイト‼︎
完
