やっぱり新しいバイトと洗車のバイトのスケジュールで、1週間の予定の大半が消費されていくんだなと、改めて気づいた。

もちろん調整すればいいだけだけど、どのくらい調整しようか。

新しいバイトは曜日が固定だから簡単には休めない感じだ。

洗車バイトは毎月の変動タイプだから、調整しやすい。

土日のどちらかだけのバイトでもしばらくはいいのかもと、スケジュール帳に目を落とす。

やっぱりケイくんの事が気になる。

嫌われているかもと思い出してからのストレスで、スケジュールを被らせるか迷う。

隔週なら大丈夫かも。

でも一目でも会いたい気持ちがまだあるなら、ストレスがあってもシフトを被らせたい。

これって恋の残火かな。

一度火が着くとなかなか消えない炎が、ジリジリと私を焦がし続けている。

こんな気持ちになるって、1年前の私はつゆほども思っていなかった。

バイトを始めてから、心が元気になってきて、身体も元気になってきて、毎日がただ楽しかった。

その延長に恋だの愛だの何だか分からない気持ちの融合があって、その時間もあっという間にジェットコースターのようなスピード感で過ぎ去ったと思っていたのに。

恋の残火が、はじまったばかりの梅雨空も関係ないくらい熱くて辛くて切ない。

紫陽花のみずみずしい美しさで、心が少しでも冷めていけばいいのに。

私の焦げ続けているマグマのような気持ち。

消してしまっていいとはまだ思えない。

よし、やっぱりケイくんとのバイトは被らせよう。


ケイくんの卒業までの時間は限られていて、いつでも辞めることができるバイトだから、少しの時間でも大切にしたい。

多分一生の内で、こんな気持ちになることはもうないかもしれないから。

ケイくんへの気持ちが苦しくて離れたいのに、まだ離れられない私は、やっぱりただの恋する乙女なんだと改めて自覚してしまった。