キース王子 エピローグ①
*ネタバレしていますので、ご注意ください*
ネタバレ注意![]()
数週間前、王妃になるためにも大学の勉強は必要と、大学に通うためアパートへと戻ってきた。
私は、リバティ王国を出る日のことを思い返した。
私はいつも以上に不機嫌なキース王子と対峙していた。
キース 「なんで帰るとか言い出すんだよ?」
「なんでって・・・だから、何度も説明しましたけど、大学に行かないと・・・」
キース 「はあ?大学の勉強なんかより・・・俺と一緒にいることの方が大切だろ!?」
少し甘えたような口調で後ろからすり寄るキース王子に、私はなんとなく微笑む。
キース 「けど・・・さ」
キース王子の囁くような声が私の耳をくすぐっていった。
キース 「お前は寂しくないのかよ?シャルル王国に戻っちまったら・・・なんかこうやって触れることも出来なくなる・・・」
そう言う王子の唇が、私のうなじに触れる。
くすぐったいような感覚に私は思わず身体をこわばらせた。
「キ、キース様・・・あっ・・・」
その唇が首筋から肩にかけてなぞっていき、私は思わず目を伏せる。
すると、ノックの音が響くと同時に、扉が開いた。
?? 「失礼しま・・・」
そう言ったきり、リュークさんが入口で固まっている。
キース 「ああ・・・なんだ?」
キース王子は私の身体を抱きしめたままそう言った。
リューク 「なんだって・・・何やってるんですか!?」
そう言って私がキースから離れようとすると、彼はそれを拒むように強く抱きしめる。
リュークさんはハッと我に返ったように咳払いをすると、私に向かって頭を下げた。
リューク 「・・・お車の準備が出来ました」
キース 「なんだ?車って・・・」
その瞬間、抱きしめていたキース王子の腕が緩み、私はその隙をつくように彼から逃れる。
リューク 「○○様の・・・お車でございますが・・・」
キース 「なんだよ、お前、本気で帰るつもりなのか?」
「そんなの・・・私だってキース様と離れるのは嫌です・・・でも、私はちゃんとキース様のために、頑張りたいから・・・」
キース 「わかったよ。・・・お前にそんな顔されたら、うなずくしかないだろ」
そう言って彼は私の頬に軽くキスをし、立ち上がる。
キース 「・・・ほら、行くぞ。送ってやるから。・・・この俺がわざわざ送ってやるんだ。感謝しろよ」
そう言ってキース王子は、私に向かって手を差し出した。
(はあ・・・今日の講義、難しかったなあ)
そう思いながら、大学を出てしこし歩くと、学生が立ち止まっているのが見えた。
(あれ、どうしたんだろ?)
視線の先を追っていくと、そこには・・・
(え?キース様?。な、何やって・・・)
キース 「○○っ!」
思いがけないほどの彼の明るい笑顔に、ドキリとしながら近づいていく。
「こんなところでどうしたんですか?」
キース 「いや・・・その、いわゆる待ち合わせ、っていうものをやってみようと思ったんだが」
「あの・・・これは待ち合わせって言うより、待ち伏せなんじゃ・・・」
キース 「そうなのか?でもまあ、似たようなもんだろ?」
王子が私の腰に手を回してくる。
キース 「それに・・・目的はそれじゃない。お前の驚く顔が見たかったし・・・会いたかったんだ」
王子の方に顔を向けると、彼の柔らかい瞳が近くなりドキリとした。
「とりあえず、どこかへ・・・」
キース 「リバティに戻ろう」
「え?」
キース 「明日は休みだろう?・・・久しぶりに、ふたりでゆっくりしたいし」
王子はそう言うと、有無を言わさないとばかりに私を促していく。
(もう・・・相変わらず強引なんだから)
そう思いながらも私は、久しぶりに会えた嬉しさに心をはずませるのだった。