北大路悠月12話目
*ネタバレしていますので、ご注意ください*
Story 12
(はぁ・・・あれからずっと悠月さんと気まずい・・・)
(しかもあれって完全に、私の八つ当たりなんだよね・・・)
マーシャ 「どーしたのぉ、○○ちゃん。ため息なんてついちゃって~。幸せが逃げるわよ」
「マーシャさん・・・それが、ちょっと悠月さんとケンカしちゃって・・・」
マーシャ 「あらら。ゆづちゃんと・・・」
バン!マーシャさんが思い切り私の肩を叩く。
(イタタ・・・。マーシャさん・・・心は女性だけど力は男なんだよね・・・)
マーシャ 「じゃあ今度、気晴らしに招待客として呼ばれてるダイヤモンドブランドのプレスパーティに一緒に行きましょ♪」
「ダイヤモンド・・・」
マーシャ 「取材も兼ねてってことでどう?」
(こうやって仕事してた方が、気が紛れるからいいかも・・・)
数日後、私はマーシャさんと待ち合わせをして、ショッピングすることになった。
マーシャ 「あ!これもいいわ~絶対○○ちゃんにピッタリよ!」
「かわい~でもこんなドレス、私に似合うかな」
マーシャ 「私が似合うって言ってるんだから間違いないってば!」
「マーシャさんって、小さい頃からファッションに興味あったんですか?」
マーシャ 「うちの母親が銀座のクラブのママやっててね。やっぱり母親がきらびやかだと憧れるわけよ。昔は皐月ちゃんとゆづちゃんのパパが馴染みのお客さんだったりして。それに私も駆け出しの頃に母の店でアルバイトしてたから。その時から皐月ちゃんと顔馴染みなのよね」
(マーシャさん、そんな前から知り合いなんだ・・・)
マーシャ 「あの兄弟もいろいろあるから、大変よね・・・」
「色々って?」
マーシャ 「実は、スイスの全寮制男子校にいるときにね、2人同時に同じ人好きになったことがあるのよ」
ふと、悠月さんの言葉が頭をかすめた。
(あれって、このことだったんだ・・・)
「あのマーシャさん・・・2人が好きになったのって、どんな人だったんですか?」
マーシャ 「寮の近所の花屋でアルバイトしてた、フランス人だって言ってたけど」
「フランス人・・・」
マーシャ 「その人も皐月ちゃんのことが好きだったけど、ゆづちゃんの気持ちを知って皐月ちゃんが譲ったみたい」
「じゃあ、悠月さんと付き合ってたんですか?」
マーシャ 「まあ、そういう形だから、すぐ別れちゃったらしいけどね」
「そうなんだ・・・」
マーシャ 「そういうことがあったのもあるかなー、ゆづちゃんて、皐月ちゃんと比べられるのすっごく嫌がるのよね」
「自分で何かあるといつも皐月さんと比較しちゃってる感じで・・・」
マーシャ 「そうそう。相当皐月ちゃんにコンプレックスがあるんじゃない?今度のダイヤモンドのパーティも2人揃って出席だから、、またアレコレ言われそうよね~」
「えっ、2人とも来るんですか?」
マーシャ 「あら、言ってなかったっけ。今回のパーティ、皐月ちゃんが立ち上げたブランドなのよ」
(皐月さん、そんな事業も!?)
それから数日後、マーシャさんと一緒にプレスパーティに出席した。
「わあ・・・女性の招待客が多いですね」
マーシャ 「やっぱりピンクダイヤモンドは女性の憧れだもんね♪」
「あっと、取材取材・・・」
マーシャ 「あら、○○ちゃん、あそこ。北大路兄弟がマスコミに囲まれてるわ。ほら、早く行くわよ」
「えっ、あ、あの・・・」
マーシャさんに腕を引っ張られて。2人の前に押し出される。
「あの、こ、こんばんは」
皐月 「○○さん、よく来てくれました」
「ご迷惑じゃありませんでしたか?」
皐月 「迷惑なんてとんでもない」
(皐月さんは話してくれるけど、悠月さん、こっちを見てくれない・・・)
悠月 「つーか、なんでお前ここにいるんだよ」
「え・・・」
マーシャ 「いいじゃない、私と同伴だものねえ、皐月ちゃん?」
皐月 「もちろん。よくお連れしてくれたね」
マーシャ 「でしょ~♪」
(皐月さんは歓迎してくれてるみたいだけど、悠月さんは・・・)
皐月 「○○さん、今日はいつもに増して綺麗ですね。服もアクセサリーも○○さんのイメージにぴったりだ」
「そんな・・・ありがとうございます」
マーシャ 「そりゃ、私のチョイスだもの♪」
(悠月さん・・・こっち向いてよ・・・なんでもいいから、何か話したいよ・・・)
マーシャ 「あ、皐月ちゃんの記者会見が始まるわよ」
壇上に、皐月さんの姿が現れると、一斉にカメラのフラッシュがたかれる。
「あっちでも、悠月さんも撮られてますね・・・」
マーシャ 「ほんと、大変な兄弟よねえ」
記者1 「悠月さん、お兄さんの会社が新たにピンクダイヤモンドを採掘するプロジェクトに出資するということですけど」
悠月 「僕は・・・兄のビジネスにはノータッチですから」
記者2 「北大路兄弟は、ブレーンのお兄さんと広告塔の悠月さんで上手くバランスを取ってるってことか」
(な・・・なに今の質問!あの記者、なんであんな意地悪なこと言うの?)
悠月 「まあ、そういうことです。兄の難しい事業は僕には到底わからないことですから」
笑顔で応じる悠月さんの顔を見ていて、なんとなく悲しくなってしまった・・・。
(あ、このリング、かわいい・・・角度によって、ダイヤがお花みたいにも見える・・・)
ふと気が付くと、リングが展示されているガラスケースに映った人影があった。
(私の後ろにいるのって・・・悠月さん!?)
素直じゃないなぁ・・・悠月![]()
そんなことじゃ、皐月に取られちゃうよ~!!
兄弟で好みが一緒って・・・
私なら、皐月派ですけど![]()