郷田保 最終話①



*ネタバレしていますので、ご注意ください*



ビルネタバレ注意ビル


我がアンフィニット社のNY出店第1号が、無事にオープンを迎えた。


大盛況にして大成功に終わったオープン初日。


私たちは新規事業部のメンバーは、NYの現地スタッフと一緒に打ち上げパーティを開いた。


部長 「今日は予想以上の大盛況だった。みんな!本当によく頑張った!では、我がアンフィニット社のNY出店第1号オープンを祝して、Cheers!!」


みんな満面の笑みでグラスを掲げた。


部署のみんなもとても和らいだ顔をしている。


と思ったら・・・


桜澤 「僕はちょっとした敗北感を味わってるよ・・・」


課長 「恐らく・・・あちらの光景が桜澤くんのプライドを傷つけているのでしょう」


課長の視線を追っていくと、NY女子に囲まれた南雲くんと久留巳くんの姿が・・・


「わあ、あの2人モテモテ!」


桜澤 「なんなのかな~、あの人気ぶり・・・」


創 「確かに、俺たちが見向きもされねーってのは、納得いかねーな」


甲斐 「俺たちは“キュート”じゃないってことだな・・・」


課長 「そういうことですね・・・」


「ぷっ・・・」


創 「おい!お前、今笑ったな!」


「だ、だって皆さん、確かにキュートって感じじゃないですよね」


桜澤 「ひどいなー、○○ちゃん。僕、本気で傷ついた・・・」


NY女子にモテモテの南雲くんと久留巳くんに嫉妬する先輩たち。


その姿は、十分キュートだった。


(本人たちは気付いてないだろうけど・・・)


でも・・・


(部長からはまだ何も・・・)


“あとで”と言われたまま、まだ話す機会がない。


南雲 「○○さん!助けてよ・・・」


久留巳 「彼女たち、僕らにガンガン飲ませるんですよ・・・」


創 「酒に酔わせて食っちまう気か?」


南雲 「このままじゃ、もう、本当に食べられちゃいそうです・・・」


桜澤 「NY女子は肉食だな~」


すると、賑わうパーティ会場の人波の向こうに、部長の姿が・・・。


少しの間、部長と私は離れたところからお互いを見つめていた。


黙って見つめ合ったあと、部長がスッと人差し指を立てた・・・。


部長が何を伝えたいのか分からず、もう一度部長に視線を戻すと・・・


もう部長の姿は消えていた。


慌しく場内を見渡すと、部長の背中が、扉から消えるのが目に入った・・・。


部長を追って会場を出た。