郷田保14話目



*ネタバレしていますので、ご注意ください*



ビルネタバレ注意ビル


(はぁ・・・、気が重いな・・・)


今日は朝からずっとため息を繰り返していた。


(なんであんなこと言っちゃったんだろ・・・)


昨夜、部長に言ってしまった子供じみた発言を後悔していた。


慌しく日本を飛び立ち、後発組の私達はNYに降り立った。


部長 「ここから直接百貨店の現場に向かい、先発組のトラとさくざわと合流する」


空港に着くなり、みんな臨戦モードだった。


現場に着くと、売り場には暗幕がかけられたままだった。


「これじゃあ、明日の開店なんて絶対無理・・・」


開店準備が滞ったまま放置されている売り場に、私たちは愕然とした。


現地スタッフのイラっいた声が聞こえた。


部長 「トラ、さくざわ、待たせたな」


創 「お疲れ様です・・・」


桜澤 「もうお手上げです。時間が無いと言っても『だから何!?』ですから・・・」


部長 「彼女たちは何を求めてるんだ?」


創 「それが・・・、そこがイマイチはっきりしないっていうか・・・」


桜澤 「何がと言うと『休ませろ』って繰り返すばかりで・・・」


部長 「『くどい話はもうやめてくれ』・・・か・・・」


完全にへそを曲げてしまっているスタッフたち。


「あの・・・、私が話してみます・・・」


部長 「何か策があるのか?」


「少し柔らかく接した方がいいと思うんです」


部長 「んん、それはそうだな。よし、○○、お前に任せる」


部長の大きな手が、私の肩に乗せられた。


私は意を決してスタッフたちの輪の中に入っていった。


「もっと自由に仕事がしたい・・・?」


少しずつ話していくうちに彼女たちの要求が見えてきた。


私は日本から持ってきたチョコレートの箱を開けた。


スタッフのひとりが、エイジヤマギシの名前を口にした。


部長 「エイジヤマギシ・・・?」


部長がその名前に反応したのがわかった。


人気のショコラティェのエイジヤマギシ。


あのお店のチョコレートを手土産に持ってきていた。


NYでも彼は有名だと。みんな喜んでチョコレートを食べてくれた。


創 「すげーな・・・、○○のやつ、彼女たちの心をすっかりつかんでる」


「もう大丈夫だと思います」


部長 「そのようだな」


桜澤 「結局、彼女とたちは何を望んでいたの?」


「多分、ちょっとした休憩時間とか。そういう部分のことなんじゃないかなって思って」



明朝にオープンを控え、夜を徹しての作業が続けられた。


ドタバタの準備作業がなんとか終わり、無事にオープン初日を迎えることができた。


「すごい!大盛況ですね!」


部長 「いい光景だな」


部長はふっと微笑むと、百貨店の担当者の一団の方へ向かった。


・・・と思っていたら、ふいに足を止めて振り返った。


「部長?」


部長 「○○、あとでお前に話しがある」


「え?あ、はい・・・」


部長はそれだけ言うと、賑わう人の波をぬうように立ち去った。


(話しって・・・なんだろう?)





避けていたはずの部長からついに・・・


いったい話とは??


次はいよいよ最終話です!


部長に何かを急に思わせたのは、主人公の今回の活躍なのかな??