郷田保13話目



*ネタバレしていますので、ご注意ください*



抱きしめられてしまった主人公・・・


どうなるのかハート



ビルネタバレ注意ビル


早朝の街角で、私は部長の腕の中に包まれていた・・・。


背中に感じていた部長の手の温もりが、頭へと移った。


部長は何も言わず、そっと私の髪を撫でてくれていた。


(このままずっとこの身を預けていたい・・・)


そう思った瞬間、部長の腕にくっと力がこもった。


(もっと強く抱きしめて・・・)


そう願った直後、部長はスッと体を離した・・・。


部長 「数時間後にはまた会社で仕事だ。遅刻するなよ?」


「・・・ぶ、部長?」


部長は、私に何かを言わせる間を与えることなく、タクシーに乗り込んだ。


部長 「じゃあな」


その一言を残し、部長を乗せたタクシーは走り去った。



部長と別れてから数時間後には、いつものように出社して。


酔いつぶれて帰ったみんなも、眠そうな目をしながらやってきた。


部長も出社するが、全くこっちを見てくれなかった。


一日の仕事を終え、トボトボと駅に向かっていた。


(結局部長とはほとんど言葉を交わさなかったな・・・)


(なんだか私、避けられてるみたい・・・)



NY出店決定から、早くも2週間が過ぎた。


部長とは、相変わらず仕事上の会話がほとんど。


すると、現地のスタッフがストライキを起こしているという電話が・・・。


部長 「明日の午後イチ、俺たちも現地に向かうことにする」


一気に慌しくなり、部長や他のみんなはそれぞれ外へ出かけていった。


夜になっても、外出した人達はまだ誰も帰って来なかった。


私は、ひとりオフイスで残業をしていた。


出先からの電話があり、部長に現地スタッフの名簿をまとめておくように言われた。


プリンターから書類を手にしたとき、ディスクで私のケータイが鳴った。


「メール?誰からだろう?マリカちゃんだ・・・」


マリカ 『たもっちゃんと何かあった?この頃たもっちゃん、○○さんのことに触れないの。わざと避けてるみたいで不自然ていうか・・・』


(マリカちゃんの前でもそうなんだ・・・)


マリカ 『○○さん、大丈夫だよね?』


マリカちゃんのメールは、私の心配してくれていた。


「本気になんか・・・ならなきゃよかった・・・」


本音がポロリとこぼれた。


本音の次にこぼれたのは、涙だった・・・。


部長のことを想って、夜のオフィスでひとり泣いてしまった。


部長 「・・・○○?」


「・・・!!」


とつぜん背後から部長の声がして、私はビクッと体を強張らせた。


「お、おかえりなさい・・・」


部長 「どうした?何かあったか?」


「別に・・・何も・・・」


部長 「・・・そうか。ならいいが」


電話で指示された名簿を、部長に差し出した。


部長に泣き顔を見られないよう、少しうつむき加減で・・・。


部長 「「やっぱりなんか変だな?」


「な、何がですか・・・?」


部長 「何があった?仕事のことか?目が赤いぞ?ウサギみたいだな」


(・・・子ども扱いしないで・・・)


またそうやって大人の余裕を見せて煙に巻こうとする。


部長はずるい・・・。


私の気持ちに、気付いているくせに・・・。


部長 「○○、どうしたんだ?」


部長は心配そうに私の顔をのぞき込んだ。


「・・・優しくなんか・・・しないでください・・・」


部長 「・・・そうか。余計なお世話だったな」


部長は一瞬だけ驚いたような顔をした。


でも、すぐに柔らかな笑みを浮かべた。


そしてそのまま、オフィスから出て行った・・・。


「・・・バカみたい・・・私・・・」




抱きしめたと思ったら、いきなり仕事モード??


しかも、避けられたら・・・


主人公ツライよねあせるあせるあせる


部長のバカー!!


避けるなら、最初から気のある素振りするなよーむかっ