21日午前9時30分。

何かが崩れ落ちる大きな音、そして叫び声。

「レッカー、レッカー!!、早くしろーっ!!!」

音のしたところに駆け寄ると、若い鳶工がH鋼の下敷きに。

長さ11m、重さ約11tのH鋼が転倒、約1m落下し、逃げ遅れた鳶工の両足の上に落下したのだ。

とんでもないことが起こった。と最悪の事態が頭をよぎる。

直ちにクレーンでH鋼を吊り上げ、鳶工を救出。
彼はショックのためか呆然としている。
だが、落下したところが砕石の斜面になっていて衝撃が緩和されたため、両足は切断されていなかった。
少しホッとする。

呼んだ救急車はすぐに現場に到着。
彼は病院へ向かった。

その後、工事が中断されたことは言うまでもない。

事故報告、工事再開のための報告書作成が始まった。
現場所長をはじめ、職員5人全員で徹夜作業。
徹夜して完成した報告書を提出しても際限のない修正の繰り返しが続き、そのまま深夜…。
それでも工事再開の許可は下りず、結局事故発生から3日目の昨日夕方、ようやく工事再開の許可が下りた。

精神的、体力的消耗は激しいのに、工事は全く進まない。

これほどつらいことはない。

幸い、被災者の怪我が左足親指付根の骨折のみであったことが救いである。

いずれにせよ、

事故は起こしちゃいけない。

でも、

でもでも、

事故報告書で客先から指摘され修正する事項があまりにも稚拙なことになんとも言えない不快感を覚えたのも事実…。

何かが間違っている。

絶対に…