入院2日前。今日で退院出来ることになった。
疑われていたアルコール依存症ではないと判断された。夜中にお酒を飲みたいという手足の震えや心拍数的なもの?がなかったためである。
昨夜の事を話すと、夜中の病院は、色んな音がなる。あっ、多分今死んだかなって音も時々なる。
不思議なもので、怖くなかった。少しだったが義母の交通事故で人間が最後に行き着く病院の現場を見てきたからかもしれない。
死ぬ時って言い方が悪いが、少し汚い。花が枯れるように死んでいく。最初はビビったが、毎週義母の病院に行くと慣れていた。こういう風に人は死ぬんやなと。ただ、これは他人だからだ。さすがに祖父の時はキツかった。
介護は他人に任せた方がお互いのためにもいいとは本当だと思う。
義母は祖父は、死ぬ間際に私に色んな事を教えてくれたんやなぁと今は思う。
さて、次の日にもう退院かと思いきやもう少し検査するという。健康診断を10年くらいサボってたのでこの2日間で一気にまとめてやった気分だ。どうせ高額なお金払うからまとめて調べてもらった方がいいかなと思った。
旦那には午後に迎えに来てくれるように頼んだ。あいかわらず忙しい男で、家の事をマメにしてるのだという。
ちなみに冷蔵庫の整理をしたとのこと。お酒は全て破棄したと。いよいよ、アル中患者やな…。にしても仕事が早い。
「結局、私はどのくらいお酒禁止なの?」
「そりゃ、しばらくはダメだな」
うーむ、飲めないのか。ただ、飲みたいと騒ぎ出したらアル中患者のようだしな。仕方ない。ここまで騒ぎが大きくなってしまったので、こちらも諦めモード。この機会にお酒を断つことも考えようかな。あれ、太る原因だし、なかやまきんに君も「ダイエットには、お酒厳禁」と言ってたし。
旦那は、私が入院期間中に一気に部屋の整理と掃除をしているとのこと。むしろ私がいなくても生活はまわるとまで言ってきた。
「あんたさぁ、言いたかないけどそういう所が冷たいって言われるんやで?」と苦言。妻がこういう状態の時に、手もつかないとなれば少しは可愛気があるのに、完璧な家事って…。
「あと、次女がお母さん死んだって近所のママに説明してた」
とボソッと旦那が電話で言う。
「だから、あんたのそう言う所が問題って気が付かんの?今言うか?否定したんやろうね」と更に旦那に突っ込む。
「もちろん、死んでません。入院してるだけって言ったよ。次女も面白いこと言うな」
「どこが面白いのか説明しろや。だから、あんたの無神経なところが私のイライラを増大させて今回の件になったんちゃうんかい!!」
「そうか…、おれはずっと前からこんな性格だから変えようもないし…、優しくするってよくわからん。ただ、出来ることを淡々とするのが優しさだと思っているから。まあ、正直に話すと50年生きてきて生き方は変えられないから。」と最後は開き直られた。
ちなみにタバコは目の前で吸わないと約束した。それが今回の私に対しての詫びだと言う。今回のことでストレスの原因が自分自身にあるとはやっと自覚したようだった。(ちなみに前回の目の痛みの時は、ストレスが原因と言われたが旦那に「絶対にうそや」と笑われた)
目の前でタバコ吸わないって、それ社会の常識だから、詫びと違うんじゃ…と思ったが、言えないのが私の悪い所である。
電話を切るとまた首の後ろがズキズキする。あぁ、認めなくないが、旦那のこの性格に私は身体の異常が出てきたと確信。でも、やはり嫌いになれない自分もいる。
いっそのこと死ぬほど嫌いになれたらなぁ。