お義母さんが元気だった時に「お義父さんとどうやって出会ったんですか?」と質問した事がある。
言葉を濁して「そんな事忘れた」と言っていた。義父にも同様の質問をした。「それは、答えられない」と言われた。
言えない出会いなんだろうなと察したw当時は、お見合い結婚がほとんどの時代に恋愛結婚をした夫婦。長年疑問だったが、葬儀が終わった夜にモーさんが教えてくれた。
「親父が17歳の時に勘当されて知り合いのお店に入り浸ったの。その娘さんがお袋。で、その娘さんに手を出したってこと」
まじかw勘当されたのもいかにも義父らしい。
義母の家は当時商売をしており、お店で鶏肉を捌いたりもしていた。義父が鶏肉を食べないのは当時鶏を捌くシーンを見て食べられなくなったのだと言う。
「そこでさ、働いて従業員になる手もあったのにね」
「いやいや、無理でしょ。あの性格じゃ無理。嫁の実家と上手くやれるタイプでもない。結局、親父は母ちゃんの実家や親戚にあまり顔出してないし」
うーむ、どこまでも義父らしくて納得。義父は相当な不良だったと思われる。17歳で親から何をすれば勘当になるのだろうか。
しかし、そんなどうしようもない男に惚れてしまった義母も運の尽きである。若い時は少し悪いタイプに憧れるものなのかもしれないが、結局結婚生活は真面目でよく働く方が圧倒的にうまくいく。
「お袋の結婚生活は、ほぼ親父への恨みと憎悪やな。よくあれで夫婦続けてこれた」と旦那は言う。
若い時に勢いで結婚して、痛い目をみる例はあるが、義母がまさしくその典型例だったってことか。
ただ唯一の義母の結婚生活で救いだったのが、仕事と理解ある旦那のお母さんの存在だったようだ。
「あのバカ息子を支えてくれる嫁。家のことは、すべて私がやるので、外で思いっきり働いて大丈夫」と言われた事が良かったらしい。
「あのお母さんじゃなければ離婚してたわね」と義母は言っていた。
しかし、私は別の側面からも考える。唯一の大黒柱として重宝されたって事やろ…。息子が稼がないから…。ちょっと利用されてる可能性もあるな。
その理由に義母が稼いだお金を貯金して、あの性格悪いおばさんの家を隣に建ててあげたのだ。稼いだのは義理の娘。お金を出してあげたのは本当の娘。
それでも、義母は「感謝」と言っていたので、私はとてもお義母さんの領域にはいけないと思う。
やはり、あの義父と義妹の恐ろしい兄妹からは距離を取った方が賢明と改めて判断する。