誰かは忘れたけど、ある人が「親が最後に子供に教えることは、自分の死を見せること」と言っていた。
祖父の痩せ細る姿を見て、逃げたい気持ちと真正面から見ろという気持ちでせめぎ合う。
母は、父がほとんど部屋に入ろうとしないと言った。
辛いのだろう。父親が骸骨のように弱る姿が直視できないんだろう。
私も逃げたくなる。でも、逃げちゃダメなような気がする。順番通りなら恐らく私の両親や義父母、そして私の死がやってくる。いつか来る未来。
母は「自宅で家族に見守られながら最後を迎えるのはなかなかない事。おじいちゃんが、家族のために誠実に精一杯生きてきたからだ。だから、せめて家族で見守ってあげよう」と今日言われた。
今日、祖父から「ありがとう」と言われた。私は何もしてないのに。
どうかお爺ちゃんが苦しまずに、旅立ってくれますように。神様に願わずにいられない。