今日、義父とささやかな誕生日のお祝いをした。

この所、義父はなんだか寂しそう。

義母も植物人間になり、血を分けた妹は骨肉の争いで疎遠になり、息子は冷たい。

正直、自業自得でこうなったのは否めないが、それでも身内は身内。

嫌いだから、付き合わないという訳にはいかない。

義父は、気持ちよく食べ、お酒を飲み、こう言った。

「俺は、嫁を愛していたのか今だにわからん。子供もそんなに好きじゃなかった。ロクでもない人間だとは自覚している。だけど、嫁は俺にほれてたんだ。じゃなきゃ、俺とずっと一緒にいる訳ない。だから、最後くらい俺が面倒見る」と。

この義父のポジティブシンキングに「この人、凄いな」と感じてしまった。

私は、義母から何回も「旦那は大嫌いだ。離婚したくて仕方がないけど、他に行く所もない。」とボヤいていた。

しかし、このポジティブさが義父の唯一の長所かもしれない。

深く考えず、常に自分中心で物事を考え、嫌いなものは徹底的に排除する。

「知らぬが仏」ってこういう事を言うのね…。

そんな私だが、最近義父を少し見直している。

それは、義父がほぼ毎日義母のお見舞いに足を運んでいること。

一昨日の大雪の日も病院に行ったと知って驚いた。

そして、毎日義母の顔を拭き、ベットリするくらい乳液をつけている。→つけすぎだと思うが、何も言えない

義父は義母の事をちゃんと愛していたのだなと私は考えを改めた。

旦那は疑ってるけど…。

義父よ、あんたが義母に惚れてたんだよ。逆だよ、逆


しかし、やはり義父は宇宙人👽

娘にビール飲ませようとした時はさすがに「お義父さん、娘には早すぎますよ。」と優しく断ったけど。

もう、怒るのを通り越して、呆れてしまった。


この数年、私は本当に嘘が上手になったと思う。

昔は、思ったことがすぐ顔に出てたが、旦那の一家に鍛えられた。

「意味わかんない」という事が旦那の一家には多すぎて、私も染まってきているのかも…。

義理兄一家のゴミ屋敷といい、義父の破茶滅茶な行動といい、旦那の叔母の宗教じみたマルチ商法といい、この5年余りの旦那の親戚付き合いは我慢の連続。

旦那も自分の親族には、心のシャッターを閉じるので主に私が橋渡し役になっている。

旦那は、一族の中では「無口でよくわからん男」という位置づけになっている。

さて、そんな旦那だがお会計は、こっそり払ってくれていた。

昨日、散々払わないと言っていたのに…。

そして、義父は「娘に何か買ってあげろ」と私に1万円突然渡してきた。

義父の誕生日なので「こちらが払います。受け取れない」と断ったが「息子に金がないのは、知っている。それにこれは孫のお金だ。」と言って去っていった。

本当は、息子にお金を渡したいのに素直に渡せない。

旦那も、嫌だという割には、結局義父の頼み事は断らない。

お互い素直になれない、もどかしい父と息子。

義父が生きている間にお互いのわだかまりが解けるといいなと思った。