小樽港に入港したクルーズ船を見学後、運河北部地域までやってきました。


小樽には歴史的建造物が結構あるのですが、

ここは、旧日本郵船株式会社小樽支店。

国の重要文化財に指定されています。


小樽駅から1.5kmほどあるので、徒歩だと25分位はかかる場所。

そのせいなのか、見かけても輪タク利用の観光客くらい。

中央バス利用なら、最寄りのバス停【錦町】下車、徒歩5分だそうですが・・・。


住所:小樽市色内3丁目7番8号

TEL&FAX 0134-22-3316

入館料:一般が300円 高校生150円、(総合博物館との共通券500円もあり)

開館時間:09:30-17:00  休館日:火曜日、年末年始



建物が完成したのは、明治39年(1906年)10月。


昭和30年(1955年)に旧日本郵船から小樽市が譲り受け、

翌年昭和31年に博物館としてオープン。何度か修復工事を経て、現在に至ります。

完成から112年目の今年、また修復工事が長期にわたり予定されているそうです。

雪が降る北海道は、建物に相当なダメージを与えるので、必要不可欠な工事と言えます。

お金はかかりますが、ずっと後世まで引き継がれて欲しい歴史的建造物。


入口でスリッパに履き替えて、1階に上がります。

館内スタッフの対応はとても丁寧で親しみやすく、希望すればガイド説明もして下さいます。


こちらは営業室。



設計者は、佐立七次郎氏。

ヨーロッパの復興様式、石造り2階建建築物。

外壁の厚さは約75センチもあるので、中はとても涼しいです。



2階へ続く階段。

アンティークな雰囲気で、時代を感じますね。

歩くとミシッと自分の体重を感じるのでなおさらです。


アンティークなつくりの階段


2階の廊下もおしゃれ。


2階も廊下もおしゃれな感じ



長いテーブルに36席の椅子がある二階の会議室。

こちらでは、明治39年11月、ポーツマス条約に基づく日露樺太国境画定会議を開催。




国境碑(複製)





会議終了後、隣の貴賓室にて祝杯が交わされた歴史あり。





1階へ戻り、お船の模型を見学。


現在の日本郵船といえば、世界一周で有名な【飛鳥】や【飛鳥Ⅱ】を思い浮かべます。



白山丸(HAKUSAN MARU=はくさんまる)1923-1944

欧州航路(横浜ーロンドン線)就航の貨客船。総トン数10380トン、長さ150.88m、幅18.9m



1944年6月4日、515名を乗せサイパンからの航行中に

アメリカ海軍潜水艦に硫黄島西南西で撃沈されてしまう。(324名死亡)





金庫室もありました。






建物向かいにある現在の運河公園は、かつては旧日本郵船の船入澗のあった場所。

やはりこちらも一緒に見ておきたい場所です。


この石碑には、次のように書かれています。


船入澗(ふないりま)は・・・


“大型船が接岸できるふ頭が作られる以前、港湾荷役の中心だった【はしけ】による、

貨物の積み下ろし場でした。この公園の池は、当時の船入澗を4分の1の面積で再現したもの”。

だそうです。こういった歴史的建造物は、昔を知るいい機会になりますね。



小樽は時間がのんびり経過していく場所。

ゆっくり街を散策しながら、改修工事前にもう一度訪れてみたいです。