君と心を通わせた日 


君が思い悩む過去に

扉がある気がして


幼い君に会いに行った


君は3歳〜5歳くらい

ブロック塀の前にいて

寂しそうな顔で


私はしゃがみこんで

君と顔を見合わせて名前を聞いた



それから何度か訪れた

過去の君に会いに



それは難しい儀式など何もいらなくて

目を閉じて名前を呼ぶ

それだけで会うことができた


幼い君は私のハグを受け入れてくれて

そのうち行きたいところに手を引いて案内してくれた




大人の君にどう影響するのかわからない

タイムスリップしたわけじゃないから

過去の君にその記憶があるはずもなく

伝えた言葉が過去の君に浸透していく

それだけのこと


それでも君が去りゆく夜行列車に

面影を見るのなら

それは幻想


馳せる想いは銀河鉄道

幼い君に届けたかった想いは



いつだって

愛はそこにある


それだけなんだ

君の孤独を抱きしめる

私は魔法使いじゃないけど

それができるから


零れそうになっても掬い上げる

だから

安心してこの胸で眠って


夏の夜へ続く夢をみよう