タルトのように甘い

あなたは最後の一皿


出会いは偶然

同じ空間に同じ理由で

たまたま通りすがった


そんな非日常と日常の狭間に

もがく私に

そっとしゃがんで覗き込んでくれた


救いならば多くはいらない

慰めならば傷跡に触れなくていい

同情は苦痛ではないけど満たされはしない

強がりてもなんでもない

立ち直ることすらできない





あなたはタルト

心を開く魔法のティータイム

あなたはタルト

いともたやすくドアを開ける


私を支えたいと言ったの?


ポロポロ 溢れる涙

え?

なんで泣いてるのわたし

ありえない


意地張ってないって言えば嘘になる

怖いだけ

もう誰にも裏切られたくない



「僕は君への理解のために

君の想いの一片になると思って」




ポロポロ 止まらない涙


ああ、

わたしこの人が好きなんだ




でもまだ怖いんだ

信じて裏切られたらもう

きっと立ち直れない




タルトのくせに

泣かせてくれる


タルトのくせに

浸透してくる


だって

気づかないうちに

癒やされてた


自覚ないまま

立ち直れてた



今はもう

タルトなしの生活なんて考えられない  


タルトのように甘い

あなたはすべてを包む最後の一皿