朝、家の電話が鳴る


「もしもし」

「あ、トカゲスさんのお宅でしょうか?」

「はいそうですが」

ツーツーツー…

電話が切れた

少し年配の男性の声だった


再び電話が鳴る

「もしもし〇〇です」

「トカゲスさんの「奥さん」ですか??」

「はい」

「奥さん…」

ツーツーツー…

また電話が切れた


何だか胸騒ぎがした


夜、トカゲスの母親から連絡があった

トカゲスが浮気相手のNに暴力を奮って

Nが病院に運ばれたという

肋骨が折れるくらいの怪我だったらしい


朝の電話はNの父親だった

娘に暴力をふった相手がわかり電話をしてきたが

その男が既婚者だった事をこの時に知り

絶句して電話を切った


後から聞いた話では

Nの家族は本当はトカゲスを訴えるはずだった

でもNの家はお堅い家

Nは大きな市役所に勤めていたので不貞行為の上に相手に暴力を振るわれたなんて

世間に知られるわけにはいかなかった


この時、病院に警察が来たのか

どんな状況で何が起こったのか詳しい内容は知らないが

トカゲスが逮捕されていないところを考えると

きっと世間体を気にするNの親とトカゲスの親との話し合いで

示談になったのでは無いだろうか



私はトカゲスに対して感情を言葉にしない

Nはきっとトカゲスに自分の想いや感情をぶつけたのだろう


今で言う「サレ妻」のわたし


浮気相手を訴えてもいい立場かもしれない


でも彼女もまたトカゲスの犠牲者の1人

その事実に心を痛めていた


その後トカゲスとNは別れたらしい


そして、私達の離婚はどうなった?


トカゲスは離婚届けのサインを拒んだ


DVモラハラ男は1人になるのを異常に怖がる

本当に都合の良すぎる話だ

全ては自分のことを一番に考え相手の気持ちはどうでもいい

誰かに依存するパラサイト


また私に矢印が向いてしまった


トカゲスは私を繋ぎ止める為に感情をあらわにする

まるで子供がただをこねるように

いや、そんなもんじゃなかった、、、、


つづく



みんたかひめ