秋の読書 『100万分の1回の猫』 | Mintの喫茶探訪記

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いまさら、
やっと
Amazonのリンクの貼りかたがわかりました。
PC画面にすれば、簡単にできるんですね。


書きたい本ネタがあっても
リンク貼りが面倒で、いいやって
放棄してました。


最近、読んだ本たち。

100万分の1回のねこ/講談社

¥1,620
Amazon.co.jp


佐野洋子さんの絵本『100万回生きたねこ』に捧げる短編集あしあと
短編小説や詩のアンソロジーですが、書いてる13人の作家さんがとても豪華。

ひとつの物語がテーマですが、
13人それぞれの視点、切り口が全く違っていて、面白かったです。


わたしが気に入ったのは
江國香織さんの
『生きる気まんまんだった女の子』と、
角田光代さんの
『おかあさんのところへやってきた猫』


町田康さんの
『100万円もらった男』も、面白かった。
なぜか、これだけ猫でてこないんだけど。



江國さん読むのは学生時代以来かも。
どことなくアンニュイなイメージな方。
この作品も、シニカルでした。

生きる気まんまんだった女の子は
『100万回生きたねこ』から、
誰も愛さなければ100万回生きられることを学んでしまい、
誰も好きにならないように徹底した生き方を貫きます。

「でもね、どうしたって好きになるわけにはいかないわ。誰かをコッコロから好きになったりしたら、身の破滅、一巻の終わりだもの」

絶対好きにならないような男の人と結婚して、立派な子供も育てあげる。
ある意味すごい。
こんなことができたら、何でもできそうだ。

「コッコロから」というフレーズ。
佐野洋子さんファンはにんまりしちゃうのでは。


100万回生きたねこは
大好きな白ネコが死んだ時に、はじめて泣くけれど、

女の子は、
一度も好きだと思ったことのない夫に先立たれた時、
はじめて泣きます。

女の子の涙は
この猫と同じ涙だったのかは、わかりませんが。
せつないラストです。




角田さんは、
おかあさんに大事に飼われていた猫が外の世界を知り、自我に目覚めていくお話。
近い存在だからこその「いとおしさ」と「うとましさ」。
角田さん、やはり「母」というテーマがずしりときます。
これ、一番泣けたかも。


岩瀬成子さんは序文で、
「100万回も平気で孤独を生きたのに、愛が猫を滅ぼしてしまった。愛は恐ろしい」
って、書いてます。

こわいよ(>_<)




「可愛さ余って憎さ百倍」という言葉もあるくらいだし、ね。
大切なものほど、失った時の悲しみは大きいもの、ね。

プラスの振り子が大きいぶん
マイナスへの振り子も大きく働くのかもしれません。


「愛」というものがぬくぬくした温かいものだとすれば、
それと隣り合わせにある悲しみ、こわさ、残酷さ。

愛の裏側を感じさせる作品が多かったように思います。



最後に、
洋子さんの元夫の谷川俊太郎さんの作品をもってくるのがよかった。
長年連れ添った人間夫婦と猫カップルの物語。
これは、やさしくてどこか飄々としていて。
最後の締めがこれで、
なんとなく、ほっ。猫村1 あしあと


ハッピーエンドばかりではないから、
読後感は、少しざらりとした感覚が残るかも。





100万回泣くことは、
100万回の愛を知ること

なのかもしれない。


誰かのために
100万回泣いてみたい気もするし、
怖い気もしている。



「愛」って、なんだろー?



考えを巡らせてみましたが、
結局、振り出しに戻っちゃったょ猫村2



そもそも、考えるものではないのかも。




長文になってしまったので、他の本はまた今度。