それは冷たい小雨が降る、私にとっては17回めの5月のある日。
私の友だちが高校前のゴミ捨て場で、机の引き出しの中に小猫が2匹捨てられていたのを見つけ、教室に引き出しごと運んできました。
私は猫が大好きでしたが、家族は皆、大の猫嫌い。里親探しをする友だちの側で、私の家には連れていけないな、と思っていました。
1匹なら何とか家に連れていけるけれど、2匹は無理。放課後、ある友だちが名乗り出ました。
あと1匹。
「猫って、1週間くらいすると自然に出て行っちゃうよ。それまでちょっとだけ面倒みて。お願い。たぶん生まれてちょっとの小猫だから、このまま放っておいたら死んじゃうよ。」
帰りそびれた私に、友だちは言いました。
片手にのる大きさの小猫。
わかった。
連れていくね。
私はそう答えました。
朝、家庭科の実習で使う、卵を入れてきたキルティングのポーチに小猫を入れて、私は帰宅する事になりました。
1週間か。
私は部屋に引きこもる決心をしました。家族と喧嘩も想定内です。
そう決心しながらも、私は遠回りしながらゆっくり帰宅しました。
学校には行くから、それまで私の部屋でいい子にしていてね。
ちょっと大きくなったら、外でのびのび、好きなように元気に暮らしてね。
電車の中で、私は時々ポーチを開いて、人差し指で小猫を撫でました。小猫は、微かに震えていました。
そうだ。名前をつけよう。あまりに小さくて弱々しかったので、私はできるだけビッグな名前にしよう!と思いました。
当時私は、エジプトに関する本や美術に興味があり、エジプト神話の中に、猫の女神が出てきます。
太陽に向かって太鼓を叩いて踊る陽気な神様。
「バステト」又は「パシュト」と呼ばれる猫の女神。
私は小猫に「パシュ」と名付けることにしました。
パシュは、最初こそ家族に敬遠されましたが、思いもよらず、次第に可愛がられるようになり、家族の一員になりました。
1週間でフラっとどこかに旅に出ることなく(笑)、約11年間、私の家族を大の猫好きに変えて、その猫人生に幕を閉じました。
パシュは、晴れた日が大好きでした。
ノラ猫気分で、毎日ひとりで、散歩に出かけていきました。
外では、
猫が好きな人に撫でられ、
猫が嫌いな人に水を掛けられ、
仲のよい猫友だちがいて、
会うと喧嘩の猫友だちもいて。
時々、私はパシュの事を思い出します。
寒い時、寂しい時は特に。
パシュは、暖かい、楽しい思い出をたくさんつくってくれた存在です。
猫という命で教えてくれたこと。
パシュのおかげで、動物はみんな好きです。
ただ命の形が違うだけなんだな、と思うようになりました。
~私のblogを読んで下さって、有難うございます~mintより🌷

