☆日産、米で電気自動車量産 12年メド、年10万台規模 (6・20日経)


 日産自動車は米国で電気自動車の量産に乗り出す。米工場で中核部品の電池から車両の組み立てまで一貫生産。米政府が近く決める環境対応車向け低利融資の活用を狙い、2012年までに最大年産10万台規模の能力を持たせる。日産は日米に続き欧州や中国でも電気自動車の量産を計画。ハイブリッド車の量産でトヨタ自動車などに出遅れたが、電気自動車では世界の自動車大手に先駆けて量産体制を整え、環境対応車を拡充する。

 北米日産の本社があるテネシー州のスマーナ工場の中に、電気自動車生産用の組み立てラインを設ける。12年までに年5万~10万台規模の能力を持たせる。生産するのは小型の乗用車で、順次車種を追加する方針。電気自動車を海外で量産するのは日本勢で初めて。


 ようやく日産も電気自動車の量産にメドをつけましたが、この事業が軌道に乗る為にはかなりの紆余曲折を覚悟しておいた方が良さそうです。

 まず、ライバルが多すぎること。オバマさんの強烈なリーダーシップで米での電気自動車推進政策は当確とはいえ、ガソリン車で培った技術の優位性だけでは最早頭ひとつ出た程度です。政府が強力にバックアップする新生GM、オバマ家とつながりの深いフォード、さらにこれがいちばん脅威なのですが、シリコンバレーのベンチャーが、いつなんどきとんでもない革新的な電池技術を編み出すかもしれないのです。

 さらに、勝負を決めるリチウム電池の開発・・・。これには巨額資金が必要ですが、この資金の確保にものをいうのが、現在のキャッシュフロー。この日銭の面でいえば、日産は今車が売れていない・・・。これが致命的です。つまり、今ハイブリッドでキャッシュの入りがウハウハなトヨタ、ホンダ組の方が開発に余裕が生まれているという現状があるのです。

 しかし、日産にも望みがあります。それはゴーンさんの圧倒的な政治力。こないだもプーチンさんの隣で自動車運転していた様子がニュースに出てましたが、各種の政策、インフラ整備、規制撤廃・・・。これは各国の有力者とのコネを持っているもの勝ちですよね。その点、ルノーを間に入れて、ゴーンさんの人脈はライバル企業にとってかなりの脅威となるでしょう。

 まだまだ勝ち組は分からない。しかし、日産もようやく巻き返しに動き、ハイブリッド勢の稼げる賞味期限が少し減ったかも・・・。というのが今日のニュースをみたとりあえずの雑感です。