☆中国、SDR建てIMF債を購入へ ドル不信の表れ?(6・5日経)

 中国国営の新華社は5日、中国政府が外貨準備を使って国際通貨基金(IMF)の発行する債券を最大500億ドル(約4兆9000億円)購入すると伝えた。債券はIMFの準備資産であるSDR(特別引き出し権)建てになる見通し。IMF債の購入を通じて、ドルに偏った外貨準備の運用を多様化する狙いもあるとみられる。

 金融危機で途上国支援の資金が足りなくなっているIMFは、先月27日に創設以来初めて債券を発行すると発表した。既にロシアが最大100億ドル分を購入する考えを表明。中国はロシアに続く購入表明となる。

 SDRはドル、ユーロ、円、英ポンドの4通貨で構成する合成通貨単位。IMFが金やドルなどを補完する二次的な準備資産として1969年に創設した。中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は3月、SDRをドルに代わる基軸通貨に育てる構想を発表。ドルの信認が揺らぐ中で、にわかに注目を集めている。


☆IMF、初の債券発行 ロシアから9600億円調達 (5・28日経)

 国際通貨基金(IMF)は27日、同基金の創設以来初めて債券を発行し、最大100億ドル(約9600億円)をロシアから調達すると発表した。ロシアのプーチン首相がストロスカーン専務理事に債券を購入する意向を伝えた。専務理事は「ロシア政府はIMFへの強い支持を打ち出した」とする声明を発表。「できる限り早く」債券を発行するための準備を事務方に指示した。

 IMFによると、発行する債券はドル、ユーロ、円などの合成通貨単位であるSDR(特別引き出し権)建てとなる可能性が高い。IMFは1945年の第2次大戦終戦を受けて創設された。これまでの資金調達は加盟国からの出融資に頼っており、金融市場を介する「債券」は発行してこなかった。

 中国などの新興国は、ドルにかわる基軸通貨としてSDRの活用を提案している。


 IMFといえばもともと米国の子分のような存在だったはずです。それがどうでしょう。この様変わり・・・。中国、ロシアがこぞって影響力を及ぼし始めました。中国がドルからIMFの準備資産SDRに乗り換えるということは、通貨の多様化、つまりリスクの分散を意味するのです。

 さらにルーブルを基軸通貨化したいロシアの積極的なIMF関与も注目に値します。えっ確かロシアは原油が暴落して瀕死の状態じゃないの??なんて思っている人、だまされてはいけません。あるところにはあるのです。つまり、資産の移転が有力財閥から政府へと急激に進んだわけです。だって、あのアイスランドが破産寸前の時、救済したのはどこの国だったですか?

 さらに、プーチン来日で約束されたジャパンマネーとロシアのつながり、さらに、このところの急激な原油高、折しも今日、70ドル突破とのニュースを見ましたが、ロシア、さらに中東が息を吹き返す予兆のような気がします。

 さあ、ますます謎解きが難しくなる世界経済・・・。一日も目が離せない状況です。