☆塩野義がインフル新薬を発売 10年めど、大流行に備え (5・24日経)


 塩野義製薬は2010年をめどにインフルエンザ治療薬を日本市場に投入する。すでに最終的な試験を実施しており、年内に厚生労働省へ申請し承認を得たうえで発売する。治療薬は現在、実質的にスイスの製薬大手ロシュの「タミフル」など2種類しかなく、大流行に備えて供給体制の拡充が急務となっていた。第一三共も開発を進めており、国内各社の相次ぐ参入で、治療の選択肢も増えることになる。

 新薬は注射剤で、投与には医師の診察と処方が必要となる。タミフルでは発症から48時間以内の服用が必要とされているが、新薬は48時間以上が過ぎた後の投与でも効果を期待できるのが特長。研究所での試験結果では毒性が強い「H5N1型」の鳥インフルエンザウイルスにも効果があったという。 


☆塩野義、米に新薬4品 10年にも集中投入、買収米社の販路活用    (5・23日経)


 塩野義製薬は2010年中にも米国で4つの新薬を発売する。日本の製薬大手では異例の多品種投入。他社が発売済みの新薬を新たな疾患の治療用に申請し、開発期間を短縮するとともに費用も抑える。昨年買収した米中堅製薬のサイエル・ファーマの販売網を生かし、早期に4品目の年間売上高200億円超を目指す。製薬大手の間で相次いだ米企業買収の効果が試される段階に入った。

 4品の対象疾患は高血圧、高脂血症、小児の注意欠陥多動性障害(ADHD)など。09年中に米食品医薬品局(FDA)へ販売許可を申請する。日本の製薬会社で最も海外進出が進んでいる武田薬品工業でもFDA申請は06―08年で計4品目にとどまっており、海外市場では異例の多品種の申請となる。 


 大手製薬会社にとって、中堅の塩野義に今回インフル新薬においてリードを許してしまったことは、歯ぎしりをするほど悔しいことだと思います。

 このところの円高の波に乗り、大手製薬会社は海外のベンチャーを含めた製薬会社をどんどん買収していきました。しかし、結果的に第一三共のランバクシーのように、のれん代や株価暴落、輸出の差し止めなど、思わぬリスクに苦しめられる例が増えてきました。

 さらに、今回の新型インフルエンザという未知のウイルスが蔓延したことで、ガソリンから電気に変わりつつある自動車業界のように、全く新しい薬をより早く発売できたものが先行者利益で市場を制する情勢になってしまいました。 特に薬の場合、命にかかわるものなので、自動車よりもこの傾向は強くなるのです。

 となると、変われないマンモス企業よりも、自由度のきく、今回の塩野義のように有力子会社を傘下に収めた企業が躍進するケースが多々出てくる可能性大です。

 今回のインフルエンザ薬の場合、現在富士フィルム傘下にある富山化学の開発経過にも注目したいですね。

 さて、製薬業界も下克上の世界になりつつあります。思わぬ伏兵に要注意です。