☆「杜仲の実」から人工骨の新素材 日立造船・阪大など (3・22日経)
日立造船は飲料に使われる植物の杜仲(とちゅう)の実から、人工骨や人工関節などの医療用素材を作る技術を大阪大学などと共同開発した。酸やアルカリに強く腐食しにくいほか、人工骨などに使われるチタンやセラミックに比べ軽くて安いのが特徴。2011年度にも数億円を投じて中国に量産設備を新設。13年度に年間1000トン規模の生産を目指す。
杜仲の実の表面を腐食させて「トチュウゴム」と呼ばれる素材を取り出し加工する。09年度中に化学メーカー向けにサンプル出荷を始め11年度にも本格販売する。人工骨と人工関節、骨接合剤を合わせた国内市場規模は約1500億円。日立造船は13年に40億円の売り上げを目指す。
☆東大・オリンパス、がんを1ミリも残さず切除 動物実験で確認 (3・21日経)
東京大学とオリンパスの共同研究グループは、体内にできたがんをほぼ確実に切除する新手法を開発し、動物実験で効果を確認した。特殊な薬剤を使ってがん細胞だけを光らせ、内視鏡などで切り取る。1ミリメートルのがんも残さずに手術することが可能で、再発防止につながる。人間への応用を目指して米国立衛生研究所(NIH)と組んで治験を進める計画だ。
研究成果は26日から京都市で開かれる日本薬学会で発表する。
本日取り上げたニュース2つには数々の共通点があります。まず日立造船、オリンパス共々本業が大苦戦していること。世界不況で海運業・造船業は撃沈、また、デジカメも価格破壊のあおりを受け伸び悩みの兆候です。
そして、どちらの企業も本業が苦戦したからバイオ事業に軸足を移したのではなく、ずいぶん昔からバイオに関わってきた企業だという点。今回「杜仲の実」から人口骨の新素材を作る技術を開発したとのことですが、昔から日立造船は杜仲茶の研究に熱心でした。そしてオリンパスは内視鏡をはじめ、バイオ関連において、長年研究を積み重ねてきました。つまり、今までの研究の蓄積が花開き、新境地へと進化していることを意味するのです。
さらにもうひとつの共通点。それは、有力大学とのコラボなしではここまでの成果はあげれなかったということ。大学の研究は実に侮れないものです。さらに大学同士の競争も激しい。今回の阪大、東大双方が脅威に感じているのが万能細胞の山中教授率いる京大の躍進だと思うのです。
今後も一発当たれば大きいバイオ分野への企業のシフトが目立ちそうです。そしてそんな企業がどこの有力大学と組むのかというのも注目点のひとつですよね。