☆BHPビリトン、リオ・ティント買収を断念 (11・25日経)

 豪英系資源大手BHPビリトンは25日、同業大手リオ・ティントの買収を断念すると発表した。BHPのアンガス会長は「リオへの買収提案は、もはやBHPの株主にとって魅力的なものではなくなった」とするコメントを発表した。

 BHPは中国の鉄鋼需要の増加を理由に、リオが保有する豪西部の鉄鉱石権益を手に入れることをリオ買収の最大の理由に掲げていた。しかし、世界的な金融危機の広がりもあって中国経済が減速したことで鉄鋼生産が減少している。豪州産鉄鉱石もだぶつきが顕著になるなど、リオ買収の前提が崩れていた。


 このニュースを受けて、これまで原材料高に泣いていた新日鉄などの鉄鋼業界などはほっと胸をなでおろすところでしょう。しかし、今や、原材料高なんかよりも、最大のお得意様、自動車会社の疲弊のあおりで減産の嵐にさいなまれ、この不景気をなんとかしてくれーって声の方が大きくなり、今回のこのニュースもあまり大きくは取り上げられないでしょうね。

 しかし、今回のBHPビリトンの決断は、「買収」という経済活動が実は無気味な爆弾を隠し持った「リスク」であるという事実を世界中の企業が認識し出した象徴的なニュースであるという感触を私は持っています。

 いかに将来性のある企業とはいえ、この株安の嵐のさなか、ランバクシーを取った第一三共、ランドローバーを取ったタタ自動車・・・。軒並み自らの体力を弱体化させています。日本でいえばマリンポリスを取ったびっくり寿司本舗が破綻してしまった事例があるように、この先が見通せない世界経済の嵐のさなか、買収は今や危険な賭けと化しています。

 円高で日本企業にとっては千載一遇の飛躍のチャンスとはいえ、下手をすれば自らの命をも縮めてしまうリスクをうまくコントロールできる企業だけが参戦すべき段階だといえるでしょう。