☆キリンの豪乳業買収、円高で840億円→570億円 (11・13日経)
キリンホールディングス(HD)が月内に買収するオーストラリア乳業大手の買収額が、円高の影響で当初予定より3割強も安くなることが明らかになった。豪ドル建ては8億8400万豪ドル(有利子負債含む)で変わらないが、円換算では8月の合意時点の840億円から約570億円に下がる。円高の威力を見せつける格好になった。
キリンHDは8月下旬、子会社の豪乳業最大手ナショナルフーズを通してデアリーファーマーズの全株取得を決めた。当時の円相場は一豪ドル=95円だったが、現在は同60円台で推移している。キリンHDは月内に買収手続きを終える予定で、ほぼ現在の為替水準で確定するとみられる。
買収資金はナショナルフーズがキリンHDから調達する。必要な現金も当初予定の641億円から約430億円に減るため、キリンHDの負担は大幅に軽くなる。
円高の悪い面だけが産業界でクローズアップされる中、これは久々のいいニュースではないでしょうか。キリンにとってはタナからボタモチのように、みるみるうちに200億以上のお金が浮くわけですから、その分キャッシュフロー余力が増すわけです。このキャッシュ不足で誰もが泣いている時の200億は大きいですよ。
もちろんこの円高に便乗してやみくもにどこかを買収しても、株安であっという間にその会社がスネかじりのどら息子に変貌することも十分考えられることですので、相手はよーく吟味して選ばねばなりません。
しかし、キリンの場合は、とりあえずは幸先のよいスタートとなったのではないでしょうか。
なんといってもやはり、中国での牛乳メラミン混入問題が大きいです。子供を大切にする中国では、高くても一気に安心な日本製の牛乳に需要はシフトしていってるそうです。中国での牛乳事業に参入したアサヒビールにとっては特需となるのではないでしょうか。同じく乳製品に事業戦略をシフトしつつあるキリンにとっても、安心・安全の乳製品をアジア全域に広める素地がこれで確立できるわけですから、今回の買収はおいしい買収となったようです。 今後は、ビール会社といえども、お酒よりも乳製品の対決が海外では主流になるかもしれませんね。