☆原油急落、中東産油国の財政を圧迫 (10・19日経)


 原油価格の急落が中東産油国の財政を圧迫し始めた。米原油市場で1バレル70ドルを割る価格の急落でイランでは財政赤字が拡大、歳入の8割を原油収入に頼るサウジアラビアでも来年度予算の編成に影響を与える水準に近づきつつある。原油価格高騰を背景に財政支出を膨らませた反動が出た形だ。金融危機に加えて、高成長を支えてきた原油収入の減少は産油国経済に打撃を与えかねない。

 イランの2008年度予算は編成段階では原油価格を1バレル約40ドルで計算しているが、実際には歳出に均衡する歳入を得るには「1バレル90ドル前後が必要」(テヘランの外交筋)。イランは石油輸出国機構(OPEC)でサウジに次ぐ産油量を誇る一方で、7000万人の人口を抱える。アハマディネジャド大統領が原油高を利用して支持基盤である低所得層向けの補助金政策を拡大してきた結果、原油価格急落の反動が急速に財政運営を脅かし始めている。


 産油国にとってはまさに想定外の出来事、それが現在の世界的な金融恐慌の嵐。そして、産油国マネーに引き付けられ現地のプロジェクトに命運をかけている外資も今や真っ青なところ、少なくないでしょう。

 産油国は過去の原油バブルの際に湯水のごとく贅沢をし、バブルの破裂ですべてを失った経験を教訓として、次世代の発展のため、自国のインフラ、さらに代替エネルギー投資をはじめとした大型プロジェクトに邁進していました。さらに、政府系ファンドがサブプライム初期に疲弊した欧米金融機関に投資し、恩を売りました。

 しかし、このところずいぶんとその活動がおとなしくなってきたのが気がかりです。立ちすくんでいるように感じるのです。ユニクロを蹴散らしバーニーズをものにしたあの頃の勢いはどうしてしまったのでしょう・・・。しかし、ユニクロはあの時バーニーズを取っていたらかなり痛い目に合っていたでしょうから、塞翁に馬とはこのことですね。

 米国はイランを攻撃しなくても、原油急落で勝手に自滅してしまうかもしれません。やはり、ハードパワーよりソフトパワーの力、そしてその恐ろしさ、国境を越えたウイルスの広がりに今後も注意が必要です。

 ただ、この原油の急落も、40ドルが普通だった頃と比べればまだまだいいお値段。結局、産油国はあれもこれもとプロジェクトの種類を欲張りすぎたのです。いいプロジェクトに投下資金を集中させ、地に足のついた戦略を取れば、まだまだ世界をリードする力は残っています。ヘッジファンド化してしまったドバイなどはちと心配ですが、アブダビやサウジなどはまだまだ余力、残っていると思います。さらなる奮闘を期待しましょう。