☆米サンディスク半導体設備、東芝が買収交渉 (10・18日経)


 東芝は提携先である米半導体大手サンディスクの生産設備を買収する交渉に入った。共同運営している三重県の工場について、サンディスクの所有設備の半分程度を千数百億円で買い取る方向で調整している。サンディスクは韓国サムスン電子から買収提案を受けており、これに対抗するため工場運営の主導権を握る。急成長するフラッシュメモリー市場で世界1位のサムスンと2位の東芝がサンディスクを巡ってぶつかり合うことになり、半導体業界の再編・淘汰にもつながりそうだ。

 買い取り対象は、東芝の主力工場である四日市工場(三重県四日市市)の設備。携帯電話などの記録媒体として使われるNAND型フラッシュメモリーを生産しており、両社にとって唯一の同メモリー工場だ。


☆サムスン電子、米サンディスクに買収提案 東芝の戦略に影響も (9・17日経)

 韓国サムスン電子は17日、東芝の提携先である米半導体メモリー大手、米サンディスクに買収提案したと発表した。買収金額は58億5000万ドル(約6230億円)を提示した。サンディスク経営陣は提案を拒否したが、買収が実現すればサンディスクとの提携を通じてデジタルカメラなどに組み込むNAND型フラッシュメモリーで世界首位を目指す東芝の戦略が修正を迫られる。

 サムスンはサンディスクに、一株当たり26ドルで発行済み株式全株を取得すると提案。サンディスク経営陣は評価額の低さなど「複数の点から判断して提案は不適切」と強く反発している。サムスンはサンディスクの株主を味方につけ、経営陣に圧力をかける狙いから、4カ月間にわたる水面下の交渉経緯を公開し「サンディスクの株主と直接交渉する考えはない。経営陣と株主間の話し合いの結果を見守る」としている。


 東芝にとっては今回の買収交渉は最低限の防御策。本当はしたくはない戦いだったはずです。矢継ぎ早に事業の選択と集中を行ってきた東芝ですが、今の世界恐慌の中、半導体業界も成長は当面期待できません。どちらかといえば原子力に重きを置いていた企業戦略ですが、このところの原油暴落でその戦略にも少しゆきづまりの気配が漂い始めました。液晶、プラズマと過大投資に踏み切ってしまったシャープ、松下の今抱えているあせりのようなものを私は今の東芝にも感じるのです。

 しかし、サムスンにとってもこの買収にはリスクを伴います。米株式市場の値下がりからみてこのTOB価格は高すぎやしないか・・・。さらに、韓国経済への不安、ウォン安による買収コストの増加など、今後の企業命運を左右しかねないリスクを強く感じます。

 半導体自体は無限の可能性のある産業であることは間違いありません。しかし、この仕掛けられた競争が、実にタイミングの悪いところで勃発し、東芝にはホワイトナイトとなって対抗TOBをかける余裕など全くないところが少し残念でもあります。とにかく、今後の成り行きに注目しましょう。