☆イラン産天然ガス、オマーンで加工し輸出 (9・2日経)


 イラン産の天然ガスをオマーンで液化天然ガス(LNG)に加工し、中国に輸出する構想が浮上している。世界2位の天然ガス埋蔵量を持ちながら核開発疑惑を理由に外資によるガス田開発が進まないイランが対岸のオマーンの設備に着目した。LNGへの加工には三菱商事や大阪ガスなど日本企業が出資する工場を利用する計画で、イラン封じ込めを急ぐ米国を刺激する可能性がある。

 ペルシャ湾のキシュ・ガス田で産出するガスをパイプラインでオマーンに運び、一部を同国内で消費、残りを中部カルハットにある設備でLNGに加工して輸出する。買い手として中国石油天然気集団(CNPC)の名前があがっている。


☆トルクメン、対中天然ガス輸出拡大に合意 (9・1ビジネスアイ)


 タス通信などによると、中国の胡錦濤国家主席は8月29日、訪問先の中央アジア・トルクメニスタンでベルドイムハメドフ大統領と会談し、トルクメニスタンから中国への天然ガス輸出の拡大で合意した。
 双方は昨年7月、現在建設中のパイプラインが完成後、中国への天然ガス輸出量を年間300億立方メートルとすることで合意していたが、大統領によると今回、同400億立方メートルに拡大することで合意した。
 胡主席は韓国訪問を経て28日に中央アジア・タジキスタンで開かれた上海協力機構首脳会議に出席した後、トルクメニスタン入り。新華社電によると、胡主席は30日、3カ国歴訪を終え帰国した。



 中国の資源戦略に磨きがかかってきました。最近の天然ガス関連のニュースといえば、資源ナショナリズムに傾倒しつつあるインドネシアが大幅な値上げを日本、そして中国に通告してきたことが思い浮かびます。

 以前の爆食中国なら言い値で値上げを受け入れ、その中国の回答がそのまま標準となり、日本も泣く泣く高値を飲まなければならない状況になっていました。オーストラリア勢による石炭、鉄鉱石の大幅な値上がり、それが鉄鋼の値上がりにつながり、トヨタまでもが値上げに踏み切りざるをえない現在の状況がつくられたわけです。

 しかし、中国も、そこまでの上げ潮の経済状況ではなくなってきました。外需から内需への転換は予想以上にうまくいかず、不安定要素は日に日に増し、あらゆる面で戦略を磨く必要に迫られてきたわけです。

 そこに、今回のニュースが飛び込んできました。オマーンという産油国の黒子を味方につけ、イラン産の天然ガスを輸入するという計画。さらに、ロシアのお膝元のトルクメンと天然ガス輸入拡大に合意しました。中国があらゆる経路を模索し、資源の安定調達を確保しようとする意欲が滲み出ています。

 しかし、今回のニュース、面白く思っていない国が若干3国ほどあります。まずは、あまり強気の値上げを迫れなくなりつつあるインドネシア、さらにイランに稼がせたくない米国、さらに、トルクメンを経済的支配下に置きたいロシアです。中国に勝手なことはさせないぞと思っているはずです。もちろん、何よりも怖いのは、天然ガスカルテルをつくりたいガスプロムですけど(笑)・・・。

 しかし、どこからの邪魔も入らないということが前提になれば、工場のインフラが整いつつある産油国がイランの天然ガスを加工し、他国に輸出するというこの事業、軌道に乗るかもしれませんね。そうなれば、日本企業にとっても、商機が生まれるでしょう。

 ただ、産油国にとっては痛しかゆしかもしれません。天然ガス事業が大きくなれば、当然、原油の値段は相対的に下がり、さらに、イランがかなり力をつける・・・。天然ガスに限れば、サウジやアブダビよりも、カタールやイランの方がよく出ますから、産油国同士の思惑もうごめき、一筋縄にはいかないプロジェクトかもしれません。

 いずれにしても、中国の資源戦略、かなり巧みになってきましたので、日本も負けずに、頑張らないといけませんね。