☆三井化学、CO2から石化製品量産へ 大阪工場に実証設備 (8/25日経)


 三井化学は25日、工場排ガスや大気中の二酸化炭素(CO2)を原料に使って、合成樹脂など石油化学製品を量産する実証設備を大阪工場(大阪府高石市)に建設すると正式発表した。2009年2月に設備を稼働し、10年3月をめどに量産技術を確立する考え。原油価格が高値で推移するなか、原料多様化を進め、地球温暖化防止にも役立てる。

 地球環境産業技術研究機構との共同研究成果を生かし、工場から排出されたCO2を効率的に分離・濃縮し、水素と反応させて合成樹脂・繊維の原料になるメタノールを合成する。実証設備の年産能力は約100トンで、10月に建設を始める。投資額は約15億円。

 現時点では量産コストがいくらになり、製造に必要なエネルギーがどれぐらいかかるかなど不透明な面も多い。不純物も混じった大気中からCO2を効率的に回収する必要もある。三井化学はこうした課題を実証設備で検証して、事業性を見極める考えだ。


☆三井化学、生体触媒で樹脂原料 (8/19ビジネスアイ) 


 三井化学は18日、シンガポール科学技術研究庁と、微生物を使い植物から樹脂原料を製造する生体触媒開発の共同研究契約を結ぶと発表した。シンガポールで、多様に生息する微生物資源を探索し、三井化学の遺伝子操作技術を生かして共同研究を推進。稲わらなど食料にならない非可食資源から、アルコール類やフェノール類などの化学製品を製造する。同社では原油価格が高騰するなか、石油資源に依存せず、地球温暖化の抑止にもつながる環境技術開発を進める考えだ。
 三井化学は、1990年代にシンガポールのジュロン島で大型の化学プラントを操業するなどして同国と関係を構築。2004年には同庁と次世代触媒の共同開発などで協力契約を締結した。
 06年には同社では海外初となる研究・開発センターをシンガポールに開所して連携を深めてきた。
 両者は、天然ガスの主成分であるメタンから基礎化学品の主原料であるベンゼンを製造する触媒の共同開発などにも成功。今回の生体触媒開発は、3件目の共同研究テーマで、近く正式契約を結ぶ。
 化学業界ではすでに、トウモロコシのでんぷんからポリ乳酸を製造して樹脂原料とする脱石油原料化が活発化しているが、三井化学は今年5月、非可食資源による環境技術開発を推進する方針を発表。産学連携による「バイオコンソーシアム」を設立し、欧州の化学大手と神戸大の3社で共同研究契約を結ぶなど、提携を加速させている。  


 こういう夢のような一石二鳥、三鳥にもなるプロジェクト、応援したくなりますよね。みんなから邪魔者扱いされている可哀そうなCO2を原料とするリサイクルは、量産化が可能になれば、世界中からそのノウハウ導入のオファーが殺到するビッグビジネスとなるでしょう。三井化学のみならず、他の企業もこぞって研究している分野であるとは思いますが、いち早く量産化・実用化に成功した企業は間違いなく飛躍するでしょう。

 さらに、三井化学はシンガポールと組んで画期的な研究を進めています。バイオ技術を利用して樹脂原料をつくるという試み。このバイオ技術というのが恐ろしくパワーのある化学企業のお宝で、可能性は無限に広がるのが醍醐味ですよね。バイオ燃料、リチウムイオン電池、太陽電池と、今、しのぎを削って開発競争が進められている分野・・・。すべてに共通するのが次世代触媒の有効性が勝負を決めるという事実です。素材戦争を制したグループ、効率面、価格面で折り合いがつき商業化が可能になる段階にいち早く漕ぎ付けたグループが先行者利益を得るということです。今や、世界中に市場はあり、一刻も早い研究開発に、世界中の研究機関、ベンチャー企業がしのぎを削っています。思わぬところがあっという技術を披露することも起こりえます。今後も、この素材セクター、科学セクターには注目しておく方がいいでしょう。