☆新日鉄など鉄鋼大手、鉄鉱石権益を共同買収へ 1兆円投資 (8・23日経)


 新日本製鉄、JFEスチールなど日本の鉄鋼大手は共同で、海外の鉄鉱石権益の買収に乗り出す。第1弾としてブラジル鉄鋼大手CSNが実施する鉄鉱石子会社売却の競争入札への参加を検討、アフリカ西岸地区での鉱山買収も候補に挙がっている。投資額は1兆円程度になるもようで、日本企業による資源投資としては過去最大規模。世界での資源高を受けて自ら鉱山を確保し、安定調達をめざす。

 新日鉄とJFE、住友金属工業、神戸製鋼所の4社を軸に企業連合を組み買収に乗り出す。伊藤忠商事も加わるほか、政府も国際協力銀行を通じた低金利融資で協力する方向で調整している。


☆住金、高級鋼管3割増産 原発・油田向け、利益率高く (8・21日経)


 住友金属工業は高付加価値鋼管の生産拠点である特殊管事業所(兵庫県尼崎市)で、2012年までに原子力発電などエネルギー設備に使う鋼管の生産を約3割拡大する。投資額は100億円を超えるもよう。世界的なエネルギー需要の増加に対応する。鉄鉱石など原料価格の高騰が続く中、利益率が高い製品の比率を上げて原料コストが収益に与える影響を抑える狙いもある。

 同事業所で生産する鋼管はニッケルやクロムなどの配合比率を工夫し、耐久性を高めた製品。価格が一般の鋼管の数倍―数十倍と高い。原発や深海油田開発などに使われる。 


 ついに鉄鋼業界が立ち上がりましたね。自らの存亡の危機を感じ、産業界に置いての存在意義を確かなものにするため、商社だけに頼るのではなく、業界でタッグを組み、オールジャパン体制で権益を確保し、未曾有の原材料高を乗り越えようとしています。王者、ミタルが相次ぎ各地で権益をものにしていることへの対抗策ともとらえられます。

 鉄鋼業界では、いちばんのお得意様の自動車業界の疲弊をまともに受け、部品数の削減、軽量化の要求が以前にもまして強まっています。そして、化学・繊維メーカーがこぞって、鉄・金属を代替する炭素繊維・高性能樹脂などを自動車メーカーに提案し、どんどん肩身が狭くなりつつあります。この先もっと研究の成果が上がり、大幅なコストダウン・量産化が可能になれば、鉄鋼業界の存在意義が本気で薄まってしまうほどの潜在性を私は炭素繊維などの新素材に感じます。

 となると、鉄鋼業界は原材料コストの圧縮のみならず、今度は新しいお得意様を確保する必要性に迫られるはずです。これが次の記事へとつながります。

 住金が高級鋼管へ戦略をシフトさせるというニュースです。私が住金の強みとして一番に思い浮かべるのはなんといってもシームレスパイプ。天然ガスなどの輸送に使うパイプラインに使うものですが、この継ぎ目なしに仕上げる技術が住金の得意とするところで、中国などがまねしようにもなかなかできず、大切な資源の漏れを起こしたり、悪戦苦闘しているらしいですね。このように、今後全世界で成長の見込める原発や資源開発用に需要が増えそうな高付加価値の商品に的をししぼる戦略は、今後、世界企業として生き残っていくためには譲れないものだと思います。「鉄は国家なり」の威厳を守り抜くため、業界でタッグを組み、オンリーワン企業を目指してほしいものです。