☆タングステン、カザフと共同探鉱 石油天然ガス機構 (8・21日経)
独立行政法人の石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は今秋から、中央アジアのカザフスタンで、超硬工具や特殊鋼の原材料になるタングステンの探鉱に乗り出す。タングステンは工作機械や金属加工用の部品に欠かせないレアメタル(希少金属)で、日本はほぼ全量を中国からの輸入に依存している。世界的に資源を囲い込む動きが広がる中、調達先を多様化し、国内産業の国際競争力維持につなげる考えだ。
豊富な埋蔵量を持つとされるカザフで、JOGMECがタングステンの探鉱に乗り出すのは初めて。探鉱はカザフのエネルギー鉱物資源省地質・地下資源利用委員会と共同で、同国南東部アルマトイ州で2011年3月まで実施する。有力な埋蔵地が見つかれば、商業生産に移行し、日本企業の参加を促す。
ロシア近隣の情勢が不透明になる中、私はこのカザフが今後かなり重要なポジションを占めてくると感じています。カザフといえば言わずと知れたレアメタルの宝庫。最近では原子力関係で提携した東芝が、その提携をレアメタルの分野にまで広げたことがニュースになりました。そして今回、石油天然ガス機構がカザフと共同でタングステンの探鉱に乗り出すという記事。これはかなり重要なニュースだと私は捉えています。
というのも、日本が資源大国になる為の秘策、メタンハイドレート事業にしても、石油天然ガスをはじめとしたあらゆる資源の開発には必ず高品質の工具、掘削機が必要で、付随する特殊な部品には必ずタングステンをはじめとするレアメタルが必要になるからです。今はほぼ全量を中国に依存しているということですが、日本と資源開発競争をしている中国が日本に有能な道具を与えたくないのはライバルとして必然で、レアメタルの囲い込みがゆくゆくはもっと激しくなることは目に見えています。そこで今回、カザフとの共同事業に踏み出したわけなのです。
しかし、カザフと関係を強化したいと思っている中国、さらにカザフを子分のようにみなしているロシアにとって、今回の提携は面白いはずはありません。まして、ロシアはイランなどと組み、天然ガスカルテルを作る野心を燃やしているのに、日本においしい武器を渡すわけにはいかないと思っているでしょう。今回の共同探鉱、うまくいけばいいですが、なんだか心配です。今後、カザフ争奪戦になる可能性もあるでしょう。カザフは一時、資源ナショナリズムに傾いていたのですが、サブプライム余波でのマネーの流出、さらにはすさまじいインフレでちょっと経済はへたれ気味、もう1度外資と手を組む戦略に変わりました。メドベージェフ大統領が新しく大統領になって初めての外遊先にこのカザフを選んだのも意味深です。今後の情勢に要注目です。