☆兼松、非組み換え大豆増産 カナダで来秋収穫2倍に (8・16日経)
兼松は遺伝子組み換え技術を使わない食用大豆をカナダで増産する。日照時間が短くても熟する新品種を活用して作付面積を広げ、来秋の収穫量を今秋予定の2倍強の1万5000トンに増やす。世界的な食料価格高騰で最大の輸出国である米国からの調達が難しくなっている。兼松はカナダでの増産により遺伝子組み換え製品への不安が根強い日本への安定供給体制を築く。
北米では非遺伝子組み換え大豆は日照の関係で北緯43度程度が作付けの北限とされ、カナダでは生産地域が限られていた。兼松は5年前からオンタリオ州立大学などの学術機関、大手種苗メーカーのヘンドリックシード社(オタワ)と共同で交配による大豆の品種改良に取り組み、2年前に従来の北限より北の地域でも生産可能な品種を開発した。
☆武田子会社、中国で「食の安全」支援 衛生管理や検査法紹介 (8・15日経)
武田薬品工業の子会社で試薬大手の和光純薬工業は、中国で食品メーカーなどの安全性向上に向けた取り組みを支援する。10月に中国で「食品衛生検査セミナー」を開催。製造現場の衛生管理や最新の検査方法、日本の法令などについて理解を深めてもらうほか、同社の検査機器や試薬類の導入支援も手掛けて、中国での事業拡大につなげていく。
セミナーは「食品と水の『安全』と『安心』の確保とその対策」がテーマ。日本向けに製品を出荷している食品メーカーが集積している青島と大連で実施する。和光純薬子会社の現地法人が事務局となり、現地の食品メーカーや商社が参加。衛生管理の概念から現場での取り組み、効率的で確度の高い検査方法などについて、日本で保健衛生行政に携わった専門家などが講演する。
日本の食卓危機が叫ばれる中、安心・安全の食品を確保する為、各企業が発想を柔軟にし、奮闘しているニュースを本日は取り上げたいと思います。
まずは兼松のニュース。これは先日、丸紅が農家から穀物を直接仕入れるという英断をしたニュースを彷彿とさせますね。非遺伝子組み換え大豆を米国で確保するのが難しくなる中、カナダに目をつけ、さらに現地の種苗メーカーなどとタッグを組んで5年前から大豆の品種改良に取り組んでいたというのですから、現在の食糧危機を見越した素晴らしい企業戦略だと思います。原材料高で疲弊する日本食の要、味噌メーカー、豆腐メーカーを救うためにも、どんどんこのプロジェクトを広げていってほしいものです。
それから、武田の子会社が中国で食品メーカーなどの安全性向上を支援するというニュースにもピピっときました。前々から私が感じていたことと合致するからです。というのは、頭ごなしに、みなが「中国製は危険」と思い込み、敬遠する現在の風潮が、日本の食卓に自ら危機を呼び込んでいるに他ならないと思うのです。安心・安全なものを食べたいと願う気持ちは日本も中国の消費者も同じ。だからこそ、日本製の米や果物が高くても受け入れられているのでしょう。となると、これを逆手に取ればいいのです。中国製でもこのブランドなら信頼できる、この企業のものなら安心だというものをどんどん作っていけばいいのです。まずは日本向けに製品を出荷している現地企業を中心に安全対策を徹底し、下手に日本で作るよりも、中国のこのメーカーに任せれば文句なし・・・というお墨付きを得られる企業を自ら育てていく・・・。これがビッグビジネスにもなり、将来の日本の食卓危機を回避する一番の手段になると思うのです。そして、将来的には中国の消費者向けにも販路を広げられるのです。
このように、自社のプロジェクトをベースにして、現地企業、現地研究機関とタッグを組むという企業戦略で、今後ともこういう試みがどんどん増えていくことが期待されますね。