☆東芝が太陽光発電に参入 国内シェア、10年に1割 (7・17日経)
東芝は7月中に太陽光発電システム事業に参入する。専業大手の米サンパワー(カリフォルニア州)から太陽電池を調達、住宅向けの装置に組み立てて販売する。東芝がエアコンなどで蓄積してきた回路技術を盛り込み、発電効率を世界最高水準に引き上げた。国内の太陽光発電装置はシャープ、三洋電機など4社が市場のほとんどを握っている。東芝は小型・軽量でも大きな電力を出せる利点を訴え、2010年に10%の国内シェア獲得を目指す。
サンパワーは世界8位の太陽電池メーカーでシェアは4%。東芝はサンパワーが得意とする単結晶型の調達契約を結んだ。太陽光を電気エネルギーに変換する性能を示す発電効率は最高でも20%前後だったが、サンパワーの太陽電池は世界最高水準の21.5%を達成しているという。
☆松下、大阪にリチウム電池工場 投資額1000億円、三洋追撃 (7・17日経)
松下電器産業は大阪市内にリチウムイオン電池の新工場を建設する方針を固めた。総投資額は1000億円を超え、2010年度中に稼働させる。既存3工場と合わせた完成後の生産能力は月産7500万個強で、現行の3倍に拡大する。リチウムイオン電池はノートパソコンや携帯電話向けなどに世界需要が拡大しており、松下は大型投資により首位の三洋電機を追撃する。
新工場は、子会社の松下電池工業が大阪市住之江区の関西電力火力発電所跡地に建設する。ノートパソコン向けの円筒形タイプや、携帯電話などに使う角形タイプの充電可能なリチウムイオン電池を生産する。生産能力は最大で月産5000万個とする。
現在は大阪府守口市、和歌山県紀の川市、中国・無錫にある3つの工場でリチウムイオン電池を生産しており、3工場合計の生産能力は2500万個強。新工場を加えた生産能力は一気に3倍に拡大する。松下は現在、同電池で世界5位だが、増産投資により、世界首位の三洋電機に次ぐ2番手に浮上するもようだ。
原子力に社運を賭けているかのごとく、積極策を次々に編み出していた東芝ですが、ついに太陽光発電に参入。白熱する太陽光発電ビジネスを目の当たりにして、かかわらないリスクを感じ始めたのでしょう。
次に来るのが原子力なら世界制覇も夢ではない・・・。ただ、思わぬ事故などが露見し、急速に原子力ビジネス熱が冷め、世界が太陽光発電一色になってしまった時・・・。ここに東芝はみえざるリスクを感じたのでしょう。
今や、猫も杓子も太陽光発電の研究に必至で、いつどの企業が、最も低コストで効率のよい新技術を確立するかは分からないのです。現に、シリコンバレーのベンチャーは今や、ほとんどが環境ビジネスにのめりこみ、ソーラーバレーといわれているほどです。あのグーグルまでもが必死なのです。マイクロソフトの時のように、名もなき弱小ベンチャーが一夜にして太陽光発電の規格のメジャーとなることも夢物語ではないのです。
さらにもう1社、松下も自社のプライドにかけて、リチウム電池で世界制覇を狙おうと躍起になっています。もたもたしていると、格下と考えている三洋が、電池分野で世界制覇をしてしまう恐れも十分にあるからです。
松下はトヨタと組んで、リチウム電池など、車載用電池の開発に取り組んでいましたが、トヨタは今や、内製化に傾き、リチウム電池よりもさらに上をいく電池をトヨタ主導で開発しようと躍起になっています。両者の思惑に微妙にズレが出てきたわけです。松下も、太陽電池、リチウム電池をはじめ、電池こそが環境ビジネスの礎となる究極の商材となることは百も承知で、今回、大型投資に踏み切ったのでしょう。
このように、有望な限られた環境ビジネスの分野に、さまざまな業種からドワーっとなだれ込みが起こっています。そして、新しい技術の前にはもう、過去の力関係なんか関係なく、これまで蓄積してきた技術がどこで活かせるかが勝負となってくるのです。
この分野で世界制覇を狙えると、得られる果実は無尽蔵です。しかし、この分野で負け犬に終わってしまった場合・・・。投資額も半端じゃありませんし、あっという間に、企業再編の波に飲み込まれてしまう可能性すらあるのです。となると、この際、過去のしがらみやプライドなどかなぐり捨てて、有望な技術を持ち、世界制覇の可能性にいちばん近い企業にすり寄るのもひとつの案だと考える企業も出てくるでしょう。
ここから未来を予想すると、環境ビジネスの研究の過程で、異業種タッグ、同業種タッグ、見境なく、国境もなく、いろいろと提携話が出てくるでしょう。三洋がフォルクスワーゲンというドイツ勢、そして今回、東芝が米国のサンパワーと組んだように、あっというような意外な組み合わせがこの先どんどん出てくる可能性があります。そして、それが、産業界の大再編へと発展していくきっかけになると私は予想します。